誰が一番強いのか?



やなせ氏とアンパンマン

1973年から絵本雑誌に掲載され、
1~4歳の子供たちに大人気である。
最もキャラクターが多いアニメとして
ギネスブックに登録された。

アニメのスタート時、
やなせ氏はすでに69歳であった。

膀胱癌を10回以上再発させるなど
体調は悪化していたが
94歳で亡くなる直前まで
創作しつづけた。

食べ物がヒーロー

強い主人公が悪を倒す……のではなく、
ヒーローは食べ物
カビにもバイキンにも水にも弱い。

なぜ食べ物なのか?

そこには、
やなせ氏の戦争体験があった。

街を破壊するヒーロー

一般的なヒーローは
派手な格好で町を破壊し飛び去っていく。
孤独に飢えている人のところに
そういったヒーローは現れない。

それが本当のヒーローなのか?

日中戦争に従事

戦地では何よりも空腹が辛かった。

「人生で一番つらいことは食べられないこと」
「パンが空からやって来たらいいのに」

敵を倒すのではなく、
飢えを救えるのがヒーローなのだ。
このような思いが
アンパンマン誕生の元になった。

正義は逆転する

それぞれの立場が正義を言い合う。
そして、
勝った方が正義になる。

たとえば日中戦争では
日本は中国の民衆を助ける正義の戦い。
そう信じて戦っていたが、
敗戦したら悪魔のように言われた。
中国からしたら侵略者でしかない。

正義は日本にも中国にも逆転する。
では日本中国どちらにも
逆転しない正義とは?

ひもじい人にパンをあげること。

正義とは、
悪人を倒すよりも
弱い人にパンを一切れあげること。
正義のための戦いなど、
どこにもない。

アンパンマンの正義

正義とは食べ物を与えることであって
敵を倒すことではない。

ゆえに、
バイキンマンや敵を
徹底的に排除することはなく、
アンパンチで遠くに飛ばすだけ。

暴力ではない

アンパンチでバイキンマンをやっつける。
これは食品と菌の戦いであり、
永遠に終わらない。

反対派を全部やっつけてしまうと、
全体主義になり国家は滅びる。

アンパンマンは光。
バイキンマンは影。
どちらも必要な存在とのこと。

描こうとしたこと

・分け与えることで飢えはなくなる
・イヤな相手とでも一緒に暮らすことはできる

幼児用には文章を短く、
グレードを落とすことを要求された。
が、それをしなかった。
当初は貧困を救うという内容が難解であり、
批評家や保育園の現場から酷評された。

ところが、
子供たちの間で爆発的な人気を呼び、
注文が殺到する。

「非常に不思議なことにね、
幼児というのはですね、
お話の、この本当の部分がね、
なぜか分かってしまうの」

アンパンマンのマーチ

ネットでよく噂されている、
「回天に乗って戦死した弟に
捧げられた歌」ではなさそうだ。
本人が否定している。

作曲家が作った曲を聴いているうちに、
自然に思い浮かんできた言葉を
やなせ氏が曲に当てはめてできたらしい。

ちなみに東日本大震災で、
いちばん多く歌われたのが
この歌であった。

いつのまにか、
復興のテーマソングのようになり、
ラジオ局にリクエストが殺到。

地震に怯えていた子供たちが
元気に歌いだしたという。

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