カラダにピース

カラダに1

カラダに2

カラダに3

カラダに4

カルピスの濃さには、経済力が出る。

小学3年の夏休み。バブル全盛期。
この頃は路地や公園に子供が溢れていた。
道路はチョークのラクガキだらけ。
約束とかしなくても公園に行けば誰かいた。
あの頃は知らない相手と遊ぶのに何の抵抗もなかった。
 オレ「いーれーて!」
 ガキ「いーいーよ!」
今日はかくれんぼしている集団に入れてもらった。

暑い

シャーシャーシャーシャーシャー
ジージリジリジリジージリジリジリ
ツクツクボーシツクツクボーシ
シャーシャーシャーシャーシャー
炎天下の中、セミの大合唱が耳につく。
よけい暑くなる。

かくれんぼに飽きて誰かの家に入る流れとなった。
初めて入る家。
ウチのカローラと違って車が大きい。
玄関に大きい玉とか飾ってある。
ウチにはないエアコンが効いて天国。
なんかウチと雰囲気が違う。
上中下でいうと上の下くらいの小金持ち。
ちなみにウチは下の上くらいだ。

お母さん「ウフフフ……どーぞ!」

お盆に乗せたカルピスを持ってきた。
みんな旨そうに飲みはじめる。
それはそれは濃厚なカルピスである。
ウチのカルピスは薄い……
その家の車やカルピスで劣等感を感じた。

オカン「ゲハハハハッ!はいよ!!」

数日後、ウチでもカルピスが出た。
薄い。
ウチは節約してカサ増ししてるのか。
もう友達にカルピスを出してほしくなくなった。
ウチのが薄いとか思われたくない。
今まで騙されていた。
猛烈にオカンを責めたくなった。
でも兄は文句を言わずに飲んでいる。
 (兄ちゃんも我慢してるんだな……)
 (ウチじゃ仕方ないか……)
結局何も言えなかった。

アレから30年

娘が飲みたいと言うのでコンビニで買ってみた。
カルピスの白色をじっと見る。
薄い白だ。
オレも一口飲んでみた。
懐かしい味……
ウチのと同じくらいの濃度だ。
間違いない。
ウチのカルピス濃度は標準レベルだった。
オカンはマニュアル通りに作っていただけだ。
劣等感により勘違いしていた。

あの家のお母さんがミスっていたのだ!

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