一人っ子はかわいそう……本当にそうだろうか?
「子供は1人で充分」
「今の日本に産まれても幸せでない」
子どものいる家庭のうち1/4が一人っ子であり、
共働き夫婦を中心に増加傾向である。
なぜ一人っ子が増えているのか?
現代の親の中に、自分の人生を楽しみ、
必要以上の無理をしない夫婦が発生した。
彼らの家族計画が「子なし夫婦」や
「一人っ子」なのである。
お母さんが産む子供の数は戦後まで5~10人、
バブル期に2~3人ときて、現代は1~2人である。
女性が産む子供の数は減り続けている。

性格

「専業主婦+一人っ子」と
「夫婦でバリバリ働く+一人っ子」では
かなり性格が変わる。
共稼ぎで0歳から保育園にブチ込んでおけば、
キョウダイ喧嘩のようなものは日常茶飯事である。
いままで独占していたオモチャなどが
あっさり奪われるし、何でも「順番」になる。
メリット
- 穏やかで優しい
- 大人しい
- 孤独に強い
- 声を荒げたりしない
- 落ち着いた人間になりやすい
- ノンビリでおおらか
- 自己肯定感が強い
- 大人びた性格になりやすい
デメリット
- ワガママという偏見
- ワガママになりやすい
- 積極性に欠ける
- 人見知りしやすい
- 世渡りがヘタ
- 寂しがり屋になりやすい
- 気を使い過ぎる
- 神経質になりやすい
- 豆腐メンタルになりやすい
- 臆病で怒られることを避ける
- マイペースでトロい
人間性

両親から惜しみなく注がれた愛情を
他に人にも分け与えることができる。
メンタルをやられやすい社会であるが
愛されて育ったコの精神は、壊れにくい。
メリット
- 親の愛情でまっすぐ育ちやすい
- 親を参考に自立しやすい
- 行儀・常識・知識を親から得やすい
- 一人の時間の使い方が上手い
- 落ち着いて行動できる
- 自分と向き合うのが得意
- 物やカネに執着しない
デメリット
- 独特の世界観
- 個性的な人が多い
- 男はマザコン傾向
- 人と分かち合うのが苦手
- 協調性が育ちにくい
- 創意工夫が苦手でワンパターン
- 我慢した経験が少ない
- 大人を参考に背伸びをしがち
- 独占欲が強く、分け合うのが苦手
競争

現代社会では受験や習い事など、
競争する機会はある程度、与えられる。
団体競技で厳しく指導してもらい、
競争心や協調性を叩き込むのがベストである。
メリット
- 人と争いにくい
- カドを立てない
- 自力で解決するのが得意
- 受験勉強に集中しやすい
デメリット
- 競争が苦手
- マイペース
- ドンくさい
- 人の顔色を伺って行動する
- 打たれ弱い
- 食事や行動など、色々と遅い
能力

一人でじっくりコツコツやるのが得意な反面、
グループで次・次・次!とテキパキやるのは苦手。
メリット
- 集中力が高い
- 一人遊びで想像力が豊か
- 料理など母の手伝いが得意
- IQや学力が高い傾向
デメリット
- 過度な期待で追い詰められる
- 社会性を学びにくい
- 競争心を培いにくい
- 言葉にパンチ力がない
- スピードが遅い
教育

一人っ子は惜しみなく教育を注がれるし、
キョウダイで比べられることもない。
キョウダイの片方が優秀で片方がイマイチだと、
比べられてキツい……
メリット
- 教育費を惜しみなくつぎ込める
- キョウダイと比べられることがない
- 経済的な理由で諦めなくていい
- 私立の学校に行きやすい
- 塾、予備校の制約がない
- トラブルにも集中できる
- 好きな習い事が全部できる
- 都会の私立大学で一人暮らしも
デメリット
- 上がいない=手本がない
- 1人なので世話をし過ぎてしまう
- 過度の期待は脅迫でしかない
学力

学力に関しては一人っ子の方が有利である。
とはいえ、
親世代のノウハウなど時代遅れなので通用しない。
親が一生懸命教えるよりも、
お金を出して進学塾に任せた方がいい。
メリット
- 学校の成績は良好になりやすい
- 静かな環境で勉強に集中できる
- 問題集や参考書も豊富に揃えられる
- 1人で解決するので考える力がつく
- 塾や習い事の費用が1人分で済む
- レベルの高い進学塾に行かせられる
デメリット
- 親が過度の期待を持ちやすい
- キョウダイのアドバイスがない
- キョウダイを参考にできない
学校

PTAその他の面倒なイベントが少ないのはありがたい。
メリット
- 授業参観や懇親会が連続しない
- PTA役員などが1度で済む
- 面倒な学校行事も1度しかない
- 制服などの使い古しが回ってこない
デメリット
- キョウダイがいるママ友の会話に入りにくい
- まだまだ使えるのに使い捨て
- 思春期には親の愛情がウザい
- 団体競技が苦手
キョウダイ

キョウダイで仲良くしたり喧嘩することで
色々な感情を”複雑”に経験することができる。
人間関係の基本はキョウダイから学ぶことも大きく、
視野が広がって豊かな人間性が育ちやすい。
また、
下の子は上の子の失敗を見て要領よく育つ。
一人っ子だとその経験ができないので
ペットを飼うことである程度カバーしたい。
メリット
- 喧嘩がないから平和
- 中の悪いキョウダイなら不要
- ニート化したキョウダイは、最悪
- 理不尽な命令がない
- キョウダイがいても小さいうちだけ
- テレビやゲームの取り合いがない
- キョウダイへのコンプレックスがない
デメリット
- 喧嘩がないから加減を知らない
- キョウダイから学べない
- 本気の喧嘩を知らないで育つ
- キョウダイあるあるが理解できない
- 自分のモノ、という意識が強い
- キョウダイでなく親の世代と比較される
- 世間知らずになりやすい
- 上下関係が苦手
- 会話がヘタ
育ち

両親とマンツーマンの時間が多いので
マセた子供になりがち。
「一人っ子はわがまま」とよく言われるが、
親がきちんと躾けていればそれはない。
メリット
- 親の愛情を独占できる
- キョウダイ喧嘩がない
- テレビの奪い合いがない
- 食べ物やモノの奪い合いがない
- 何でも買ってもらえる
- 精神的に安定しやすい
- 何にでも挑戦できる
- 育ちの良いコが多い
デメリット
- 甘やかされやすい
- キョウダイよりも思い出が単純になりがち
- 普通に育てると過保護なる
- 独り言が多くなりやすい
- 過干渉になりやすい
- お坊っちゃんお嬢ちゃんになる
- 1人での留守番が多い
- 1人で解決するので考えすぎる
お金

大学まで行かせるなら1人1000万円以上が目安。
大学で一人暮らしさせるならプラス500万円。
2人なら2倍必要……
食費その他でも想像以上にカネがかかる。
ケツの毛までむしられる覚悟はできたか?
メリット
- 教育費その他が1人分で済む
- お小遣いやお年玉が少なくて済む
- 親は仕事に集中しやすい
- 老後の貯蓄がしやすい
- スマホの契約が1台で済む
- アーリーリタイヤしやすい
- 共働きしやすい
デメリット
- 金銭感覚がユルくなりがち
- 物欲の自制心が育ちにくい
- 欲しい物を我慢できない
経験

子供同士で遊んでいる姿を見れば、
子供の代わりは”大人にできない”のがわかる。
メリット
- 心配事が1人分で済む
- 事故や怪我のリスクが少ない
- 母と娘は親密になりやすい
- 変なキョウダイならいない方がいい
- 経済的にも労力的にも全力を注げる
デメリット
- キョウダイに揉まれる経験がない
- 人間関係でトラブルが多い
- 家の中で遊び相手がいない
- キョウダイが欲しいと子供に言われる
- 遊び相手に乏しい(特に幼少期)
- 自立するのに時間がかかる
- 近すぎて適度な距離感になりにくい
- 自立心が芽生えにくい
生活

近所に三人キョウダイの家がある。
ヒステリーな母親(パート)の叫び声がすごい……
親に余裕がないのである。
貧乏は心を荒む。
メリット
- 子育ての苦労が1度で済む
- キョウダイがもし障碍児だったら……
- 洗い物、洗濯が少なくて済む
- ミニバン不要だし軽でも大丈夫
- 部活の手伝いが少ない
- 余裕ある育児ができる
- お祝い事が盛大にできる
- オモチャも洋服も不自由しない
- 子供とじっくり向き合える
- 可愛い時期をしっかり見れる
デメリット
- 3歳から手が空いて2人目欲しくなる
- 小学校から物足りなくなる
- 中学校から親離れで寂しい
娯楽

一人っ子は家では一人遊びが多い。
とはいえ、
飛行機代や旅費、外食費が少なくて済むので
外出や遠出の回数を多くすることができる。
進学塾に通うなら、中学からほとんど外出なし。
小学校までにたくさん行っておきたい。
メリット
- 一人だとどこに連れて行くのもラク
- そもそも家の中に遊び相手は不要
- 旅行にガンガン行ける
- 外食費が安い
デメリット
- 一人遊びばかりになる
- 引きこもりがちになりやすい
- インドア派になりやすい
- 家でヒマ過ぎてゲームに没頭
精神

二人目が産まれても一人目ほどインパクトはない。
その証拠に、写真やビデオが極端に減る。
ゼロか1かは”天と地”ほどの差がある。
それに比べて1か2かは大差ない。
メリット
- 叱る回数が少ない
- 子育てでイライラしにくい
- 平和な日々
- 大切に育てられる
デメリット
- たくさんいた方が楽しい
- 親離れ、子離れがしづらい
- 子供に遠くへ行ってほしくない
介護

一人っ子の最大の苦労は、
両親の介護を1人で背負うことである。
子供に介護の負担を一切かけないために、
両親の経済力だけで老人ホームに
早々にブチ込めるようにしておきたい。
キョウダイ姉妹がいても安泰ではない。
力を合わせて両親の介護をするとは限らず、
負担の押し付け合いでケンカになることも多い。
メリット
- 両親の介護問題でモメない
- 両親の世話を一人で抱え込む
- 介護の押し付け合いがない
デメリット
- 両親の介護を一人でしなければならない
- 相談する身内が誰もいない
- ヘタすると配偶者の両親の介護も
- 老後は寂しい
- 親がボケたら大変
- 頼れる身内がいない
- 親の死後は保証人で困るかも
将来

一人っ子で独身だといずれ天涯孤独になる。
とはいえ、
男の兄弟だと成人後は連絡もとらないから
将来的には一人っ子と状況は変わらない。
最近の介護状況を見ると、
キョウダイがいようが一人っ子だろうが
最期を迎えるのは1人の場合が多い。
「キョウダイは他人の始まり」という諺もある。
メリット
- 遺産相続でモメない
- 家・土地・預貯金をそのまま貰える
- 老後の資金を溜められる
デメリット
- 一人っ子の親は子供を手元に置きたがる
- 男は長男⇒同居となり、婚活で不利
- 女だと婿をもらうような流れになることも
- 一人が快適で結婚が面倒くさい
- 仲良さそうなキョウダイが羨ましい
- 両親の死亡で一人ぼっちになる
- 両親の死を一人で受け止める
- 跡継ぎ問題があれば1人にのしかかる
- 血縁者の相談相手が少ない
- 両親がいなくなったら誰も頼れない
- 娘の場合、墓を継ぐ人がいない
一人っ子は増えている
カネと時間……
両方とも恵まれていないと2人育てられない。
カネと時間

専業主婦世帯では半数が一人っ子である。
不景気の世の中、夫の稼ぎだけでは
2人を育て上げる”カネ”がない。
共稼ぎ世帯では一人っ子が増えている。
経済的に余裕があっても、
二人ともフルタイムで働いていたら
子育てをする”時間”がない。
バリバリのキャリアウーマンだったら、
2回も産休を取りにくいし、
子供2人の世話をしながら総合職は
とてもキツいだろう。
自然現象でもある
自然現象も少子化に拍車をかけている。
日本列島の人口は縄文時代に500万人だったが、
弥生時代から農耕のチカラで激増し始めた。
江戸時代には文明のチカラで3000万人にまで増え、
現在は科学のチカラで1.26億人に達した。
この狭い島に対し、明らかにヒトザルが多すぎる。
人口が減っていくのは自然の摂理なのであり、
目に見える現象が「一人っ子」なのだろう。
まとめ
平均的な会社員が10年20年働いて
溜められる金額は2000万円が目安である。
2人目の子供がいれば、まず残らない。
子供2人なら昼飯代は1ヶ月1万円だろう。
つまり1日500円(ワンコイン)になり、
コンビニで弁当を買ったらそれでオシマイ……
セブンの上げ底商法に引っかかって
「騙された……量が少ない……」と腹を立てる隣で、
一人っ子の親は、自分が我慢したはずのコーヒーを
ズルズルすすってマッタリしていることだろう。
牛丼をみそ汁とサラダのセットにすれば600円。
100円オーバー……セットはたまにしか頼めない。
ただし誕生日の時くらいは
自分へのご褒美としてそれらのセットに加え、
ギョク(生卵)50円をプラスしてもいいだろう。
子供がいなかった頃は昼メシで値札など見なかった。
「肉うどん大盛りプラスおでん」を喰っている近くで
冴えないオヤジがぶっかけうどん並を持って
無料の天カス・ネギを一生懸命トッピングしていた。
「オレ、肉乗っちゃってるもんね~www」
と優越感を感じてよけいに旨かった。
オヤジの方がオレよりも給料は多かっただろうが、
子供がいれば昼食で贅沢はできない。
世帯収入500万円程度で子供が2人いたら、
決して大げさな話ではない。
そこまでして2人目が欲しいのか?
自分の人生を犠牲にする覚悟はあるのか?
2人目の子供よりも、
一人っ子+アーリーリタイヤの方がよくないか?
よく考えたうえで発射してほしい。
「かわいそう」を言い出すとキリがない。
一人っ子はかわいそう
母子家庭でかわいそう
キョウダイの上の子はかわいそう
下の子はお古ばかりでかわいそう
貧乏子だくさんでかわいそう
旅行に行けなくてかわいそう
塾にいけなくてかわいそう
あの家はパパの帰りが遅くてかわいそう
妹が不登校でかわいそう
長男が引きこもりでかわいそう
弟だけ成績悪くてかわいそう
家族計画は、丈の短い毛布のようなもの。
アッチが足りればコッチが足りなくなる。