なぜ失敗?「消えた3Dテレビ」6つの原因・理由と今

後が困る

3Dテレビどうなった?

2010年あたりに話題となり、
2012年にはテレビ総売り上げの
20%にまで伸びた。
2017年には58%が3DTVになる、
とも予測されていた。
ところが……

2017年 完全に消えた

予測に反して、
2016年に8%にまで落ち込んだ。
白黒がカラーに変わったほどの
インパクトはなかったのだ。

2017年に最後まで生産していたソニーが撤退。
完全に消えた

そこで、3Dの歴史をみてみよう。

第一次ブーム(1975年)


オモチャみたいな赤青メガネ
3D映像を見たことがある人も
多いだろう。
オレもドラえもんの立体映画を
観にいったのを覚えている。

時期を同じくして家庭向けの立体放送が
オンエアされはじめる。

ところが、
物珍しさが薄れると同時に、
急速に失速していった。
画質が荒く、目が疲れたからだ。

第二次ブーム(2010年)

技術の進歩で高画質かつ立体的になる。
映画アバター(2009年)の大ヒットで
再び3Dが脚光を浴びる。

この映画がきっかけで
本格的な3Dを体感した人も多い。

家庭で消滅した3Dであるが、
現在も映画館ではある程度の需要がある。
(理由は後述する)

2012年がピーク

ちょうど2011年には地上波が
アナログからデジタル(地デジ)
切り替わった。

このタイミングで
テレビメーカが猛プッシュ
「3年で半分以上が3Dになる!!」
「3Dすごいすごいすごーい!!!」

この大ウソをきっかけに3Dテレビに
買い替えてしまった家庭もあった。

2012年夏のロンドンオリンピックは
3D放送で行われるなど、
日本だけでなく世界中でブームとなっていた。
しかし……

2013年に失速


ロンドンオリンピックの後、
市場から急激に消えていった。

たかがオリンピックのために
何十万円も出して
3Dテレビに買い替える人など
ほとんどいないからだ。

失速したのは人気が低迷したからではない。
業界がゴリ押しを終了したのが
2013年だからである。

業界が勝手に騒いでいただけで、
もともとまったく人気はなかったのだ。

実質3年で消えた

あと3年で58%になる!と
業界が騒いでいる間に消えてしまった。

TV業界売上げの救世主として
無理やり盛り上げられていたが、
無駄だと分かったメーカーが次々に撤退。

業界が想定していたほど、
消費者がバカではなかったのが誤算だった。

失敗した6つの理由

具体的な理由を6つ上げてみる。
どれも思い当たるものばかりだ。

理由①「メガネがウザい」


いちいちテレビを見るたびに
専用メガネを装着するのが
あまりに煩わしかった。

メガネなしの3Dテレビも登場したが、
迫力に欠け全然ダメだった。
メガネ不要で迫力がある3Dテレビがあれば
普及する可能性はあるが、
価格的にも、技術的にも厳しそうである。

ホログラムくらいの立体感があればいいが、
とても一般庶民が買えるシロモノではない。

「不快感」

ゴツいメガネをつけていること、
それ自体が不快である。
視力が良い人は肩もこる
寝転がって見られない。

また、
見慣れない映像から目の疲れも多く、
複雑な距離感で3D酔いし、
吐き気をもよおす人までいた。

電気屋で実際に見てきてもイマイチ。
不快感のワリに映像が大したことない
ディズニーやUSJで観るような
迫力はまったく感じられない。

そもそも3Dではない

脳を騙して2Dを3Dと錯覚させているだけ。
3Dモドキなのである。

視線が強制されて脳が疲れてしまう。

理由②「業界のゴリ押し」

そもそもユーザーが3Dなど
求めていなかった。
業界が売りたい物
客が買いたい物がズレていた。

業界が売りたい物

液晶やプラズマの価格が下がってしまった。
付加価値として3Dをつけ、
値段の高い物を売りに走った。

客が買いたい物

余分な機能はいらない。
だいたいキレイに映ればいいから、
安くて壊れない物

むしろ3D対応じゃない方が
求める機能をしっかり作り込んである印象。

しかし、
ハイビジョン化、地デジ化、消費税増税……
コトあるごとに買い替えを促す手法
ユーザーが冷めた視線でシカトした。

ちなみに、
オレのムスメも3DSの3D機能は
最初の5分だけでうっとうしくなり、
ずっとオフにして使っていた。
中途半端な3D機能は子供すら求めていない

理由③「高額」

3Dを出力するには
ハイスペックなTVが必要であり、
値段が2DTVの数倍した。

求めてもいない3Dを見るために
そこまでカネを出す人は少なかった。

テレビ以外にもかかる

100インチ級の大画面3Dテレビの他に、
3D対応ブルーレイレコーダー、
3Dメガネ(人数×1万円)、ホームシアター(音響)は
最低限必要である。

カネがかかりすぎる
しかも、コンテンツが少ない状態で
先行投資しなくてはならない。
そんなのマニアだけ。

理由④「4Kテレビ」


ハイビジョンの4倍の画質という
わかりやすい製品が現れた。

ただでさえ少ない新し物好きを
3Dと4Kで奪い合う形となり、
3Dの客がさらに減った。

そして、
メーカーが3Dを見限って
4K推しにシフトしてしまった。

しかし、
4Kも業界のゴリ押し感が強く、
普及には至っていない。

国策がトドメ

2020年の東京オリンピックに向けて、
「テレビ放送を4Kへ」と国が言い出した。
メーカーだけでなく、
テレビ局まで3Dよりも4Kへの移行に
専念してしまった。

つまり、テレビ局が3Dコンテンツを
作るのをやめてしまった。

理由⑤「コンテンツ不足」

3D対応の番組を作るには
2Dより莫大な予算が必要である。

当時は地デジ化に伴う莫大な
設備投資が必要であり、
3D対応の番組に予算を回せなかった。

このように、
国策が4Kにシフトしてトドメを刺す以前に、
もともと3Dには及び腰だったのである。

理由⑥物足りない

3Dは大画面でないと迫力に欠ける
画面は大きければ大きいほど良い。
小さければ小さいほどダメ。

一般家庭の40インチでは物足りない。
60インチでもまだ物足りなさを感じる。

この程度のサイズでは、
多少の奥行き感が出るだけで
業界が大騒ぎしているような
立体感までは感じられない。
しかも画面のフチが気になって、
3D感が損なわれてしまう。

ほとんどの人の感想は、
「大したことない」「すぐ飽きた」

家庭用では小さい


迫力ある映像なら100インチはほしい
一般人がそんなバカデカいTVを買うことはない。
ゆえに、
3Dの映像は、プロジェクターか映画館
選択肢となる。

ちなみに、
映画アバターの3Dブルーレイディスクは
ジェームズキャメロン監督自身が
「家庭用では迫力が出ない」と言って
何年も発売にストップをかけ続けた。

音も重要


迫力の画面にショボい音
では興ざめ。
立体の映像には、それに釣り合う
立体的な音響も必要なのである。

つまり、プロジェクターで映すならば
ホームシアターが必須である。

映画館では生き残った

映画館では一定の需要がある。
映画館なら画面の大きさは文句なしで、
音響もバッチリだ。

ハリウッド映画の
ド派手な演出とも相性が良い。
特に、アクション映画には効果が高い。

3Dテレビは失敗したが、
3Dの技術それ自体は失敗ではない。

失敗した本質とは?


テレビというのは本来、
気軽に楽しむものである。
全神経をかけて観るシーンは少ない。
スイッチ一つでヒマ潰しに観るのが
ほとんどであろう。
数人で「ながら視聴」するのが普通である。

たしかに、1人で「○○を観るぞ!」と
全神経をかけて観ることはある。
そんな時には3Dもいいかもしれない。
しかし、それは稀である。

3DTVは、没入感を得るために
全神経を注がなくてはならない。
そこまでテレビに求めていないのだ。

テレビに求められるもの

スイッチ一つで、気軽に、面白いもの。
視聴者は画質よりも内容を求めている。

いま使っている物を
流行遅れと錯覚させて
客が求めていない物をゴリ押しする手法は、
もう卒業してほしい。
バブルの時代じゃないんだから。

音楽と同じ


音楽を聴いている人は多いだろう。
オーケストラやライブで腹にズンズン響くのは
たしかに心地いい。

だが、そこまで求めているだろうか?


大多数はスマホやiPod+イヤホンで
満足しているのではなかろうか?

テレビにも同じことが言えるわけだ。

VR・360度動画は?


2016年はVR元年と呼ばれる。

PlayStationVRなど、
ゲーム業界は実用レベルで製品化している。
特定の分野ではポテンシャルが高い

一般人にはあまり必要ないかもしれないが、
インターネットがより高速化し、
自宅で仮想体験ができれば
予想外の発展をする可能性はある。

4Kは?

ほとんどの人はフルハイビジョン(2K)で
満足してしまっているにもかかわらず、
国策で推しているので普及だけはすると思う。
アナログ放送がデジタル放送に
移行したように。

だが、ちょっと待ってほしい。
そもそも画質など手段の一つに過ぎない。
画質よりも、内容なのだ。

画質を追及するのならば、
内容が伴わなければいけない。
BBCのような質の高いドキュメントならば
高画質で観る価値はある。

芸人やアイドルを雛壇に座らせて、
内輪で盛り上がってシャベるだけの番組。
大げさに喜んでモノを食べるだけの番組。
ユーチューブ動画を流用するだけの番組。
そんなゴミ映像を高画質で映しても、
何のメリットもない。

8Kは?


家庭では不要
8Kの場合は100インチないと意味がない

家庭用に100インチもあるバカでかいテレビを
買う人はほとんどいない。
家庭によくある50インチ程度の画面では
4Kと大差ない映像しか表現できない。

夜景などコントラストが激しい映像で
やっと差を実感できる程度である。
通常のシーンではそこまでの
差を実感することはできない。

その証拠に、電気屋に置いてある8KTVには
夜景ばかりが映っているはず。

ビデオ戦争とは?

3DなりVRなりホログラムなり、
次世代ディスプレイ普及のカギは
1つしかないのかもしれない。

○○を観るぞ!と全神経をかけて観る
没入感が重要なキラーコンテンツが
一般人に必須とならなければいけない。

ヒントはビデオ戦争にある。
あるモノがきっかけで、
家庭用ビデオが爆発的に普及した歴史がある。

VHS対ベータ

1975年ごろVHSとベータで家庭用ビデオテープの
規格争いが勃発した。


【VHS陣営】
日本ビクターを中心として、
松下電器・三菱・日立などが参戦


【ベータ陣営】
ソニーを中心として、
東芝・NECなどが参戦

VHSとベータの違い

録画時間はVHSは120分、ベータは60分。
ただし画質はベータが上。

VHSが勝利

ビクターが特許を無償公開し、
当時販売網が大きかった松下と日立が
VHSに乗ったのが大きい。
ベータでは120分の映画を録画できない
画質が良くても使い勝手が悪く、
VHSに負けたとか言われている。

またベータ陣営はレンタルビデオを敵視していたが、
VHS陣営はレンタルを容認していた。

レンタルビデオが決定打


ベータを殺したのはレンタルビデオである。
映画を収録しやすいVHSばかりを
レンタルビデオ屋が扱うようになった。

レンタルビデオのキラーコンテンツ

それは、アダルトビデオ(AV)である。

録画時間が短いと支障をきたすのは、
映画だけではなかったのだ。

AVが普及しはじめたのも
ビデオデッキとほぼ同じ時期だ。
そこでレンタルビデオ屋に
VHSのAVが溢れるようになった。

18禁コーナー


18禁コーナーは床から天井まで
AVに囲まれるようになっていた。
オッサン「こんな部屋に住みたい……」

それまで1本10000円を超えていたAVが
数百円で見られるようになったのである。
それは革命であった。

映画などまったく興味のなかったオッサン達が
こぞってレンタルビデオの会員になりだした。

60分ではダメ=ベータではダメ

結論をいうと、
AVの視聴にプレイは2~3回必要である。

と、いうのは60分ではプレイが1回になってしまう。
不要ヶ所を早送りすると、
実質20~30分のボリュームしかない。
その中で抜きドコロを見極めなくてはならない。

巻き戻し

カセットは、巻き戻しに時間がかかるのだ。
これは大問題である。

しかし、現代の若者には理解しにくいかもしれない。
DVDや動画ファイルなら、一瞬で好きな場所に戻れる。
そのため20~30分程度のコンパクトな内容でも
充分に実用に耐えるからだ。

昔の人は苦労したのだ。
では、どのような苦労があったのか?

タイミングを逃す

抜きドコロを探っているうちに、
60分が終わってしまう。

そうなれば、
ボッキしたまま何分もかけて巻き戻すという
興ざめな思いをしなくてはならない。
巻き戻している間の音もうるさく
集中が途切れて萎えてしまう。
そうなればもう一度最初からやり直しだ。

風が吹いてトランクスがこすれただけで
フルボッキ完了だった中学生時代ならともかく、
仕事に疲れたサラリーマンにとって、
その障壁はあまりにも大きかった。

120分あればその心配は大幅に減る
画質にこだわっていたベータ派のオッサン達は
次々にVHS派になっていった。

家電量販店にて

奥さん「VHSとベータがあるみたいね」
オッサン「ふ~ん、そうなんだ」
奥さん「ベータの方が画質がいいみたいよ」
オッサン「……VHSかな」
奥さん「なんで?」
オッサン「いいからVHSだ!!!!」
奥さん「??」

奥さんに内緒で、
ダビングのために2台買う者もけっこういた。
ダビングしたテープには、
「臨時国会-答弁-」「ベストショット(ゴルフ)」など
子供や奥さんが決して手に取らないような
タイトルをつけておくのが基本である。

ダビング

レンタルビデオで借りたお気に入りAVをダビングし、
それを貸し借りするのは日常茶飯事であった。

中には2台同時に一時停止と録画を駆使して
お気に入りAV女優のシリーズ物数本から
重要なシーンだけを集めて編集し、
1本のビデオテープに仕上げる強者もいた。

ただし、
動画やDVDの複製は無劣化であるが、
ビデオテープはダビングするたびに
画質が劣っていく
レンタルビデオ屋のファーストコピーでなくては
画質が荒く価値が低かった。

当時まだ珍しかった無修正モノにもかかわらず、
ダビングしまくったおかげで画質が劣化し、
肝心の部分がボヤけて見えない、
見えないとは知りつつも画面にかじりついてしまう、
そんな歯がゆい思いをした者も多い。

このような経緯から、
元のビデオから「直接」ダビングしたテープは
大変な貴重品だったわけである。

迷宮入り

持ち主に無断での「又貸し」も多かった。

大学時代の寮で渾身の1作を
どうしても貸せというヤツがいた。

「これだけは迷宮入りさせるなよ」と、
再三に渡ってクギを刺していたにもかかわらず、
又貸しの又貸しの又貸しの又貸し
迷宮入りさせられてしまった苦い思い出がある。

まとめ

次世代ディスプレイが普及するには
ビデオ戦争と同じ現象が必要である。

ホログラム映像による裸眼の立体視
家庭で実現できれば可能性はさらに高い。


AVだけでなくゲーム・アニメ・映画、
そして通常の番組すら格段に進化するだろう。
たとえ100万円近くしても一家に一台の
必需品に化ける潜在能力を秘めている。

そんな環境でドラクエ123をやってみたい。

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