桃太郎の歌はキチガイである。
昔話の桃太郎は一体どこが
「気は優しくて力持ち」なのか?
この歌の存在こそ、
桃太郎が「悪人」であることを
裏付ける証拠である。
鬼を殺して面白がって
宝をブン取って万々歳らしい。
(http://www.ehagaki.org/より引用)
歌詞
桃太郎さん、桃太郎さん。
お腰につけた黍団子、
一つわたしに下さいな。
やりましょう、やりましょう。
これから鬼の征伐に、
ついて行くならやりましょう。
行きましょう、行きましょう。
貴方について何処までも、
家来になって行きましょう。
そりや進め、そりや進め。
一度に攻めて攻めやぶり、
つぶしてしまへ、鬼が島。
おもしろい、おもしろい。
のこらず鬼を攻めふせて、
分捕物をえんやらや。
万万歳、万万歳。
お伴の犬や猿雉子は、
勇んで車をえんやらや。
おもしろい おもしろい
おもしろい……?
ここに闇を感じる。
そもそもなぜ、
「おもしろい」のか?
サイコパス?
鬼といえども、
人型の生き物である。
虫を殺すのとはワケが違う。
白人に虐殺された
アボリジニやインディアン同様、
子供連れの母親もたくさんいただろう。
親の見ている前で、
子供の見ている前で、
面白がって殺す……
完全な精神異常者である。
分捕物をえんやらや
分捕物……
もともと村人の宝だったのならば、
「ぶんどりもの」という言い方はしない。
鬼の所有物を奪い取った証拠である。
えんやらや……
「貰っちゃえー」というニュアンスを感じる。
なぜ「取り返した」と表現しない?
売春を援助交際などと誤魔化すのと同様、
強盗行為を誤魔化している。
もし鬼が悪さをしていたという
決定的な証拠を示せなければ、
強盗殺人である。
急に決定された
ほとんどの逸話で
鬼退治は「急に決定された」のである。
おかしくないか?
長年の間鬼の悪さに悩み、
悩みぬいたあげく鬼退治に出発……
そういった話はあるが、
少数派である。
勝てる相手だから
悪さをする強い鬼を退治するのなら、
長期に渡る綿密な計画が必要であり、
大規模な集団で戦うべきである。
つまり、
村人総出で戦わないといけない。
そうでなければ「返り討ち」に
あってしまうからだ。
反対に、
弱い立場である鬼を一方的に虐殺し、
持っている宝を奪うということなら、
計画性は必要ない。
思い立ったが吉日……
少人数で奇襲攻撃をかければ十分だ。
宣戦布告なし
「急に決定」されたということは、
始めから「勝てる相手」だったと
判断していた状況証拠となる。
本来ならば、
合戦と同様にきちんと宣戦布告し、
大義名分のもとに正々堂々と
正面から戦いを挑まなくてはならない。
しかし、
鬼ヶ島遠征では宣戦布告の描写がない……
奇襲攻撃であることは明白であり、
「卑怯者」と言わざるをえない。
2つの桃太郎
地域によって違いはあるが、
全国的に伝わっているのはこの流れである。
①桃がきっかけで赤ちゃんが産まれる
②老夫婦に育てられ、鬼退治に出発する
③キビ団子でイヌ・キジ・サルを家来にする
④鬼を退治し、宝を持ち帰る
大人向けと子供向け
・江戸時代までは大人向け
・明治時代以降は子供向け
明治維新前後で読者層が変わり、
ストーリーが大きく改変された。
そもそも、
なぜ読者層が変わったのか?
桃とは?
日本神話(イザナギ・イザナミの話)で、
邪気を払う霊薬であり、
不老不死の仙果でもある。
ちなみに、
peachには「すてきな」の意味もあり、
日本においても海外においても
縁起の良い果物とされる。
①江戸時代まで
桃を食べて若返った老夫婦が桃太郎を出産し、
宝を取りに行くために鬼ヶ島に向かった話が
主流である。
「桃太郎の誕生」が想像力を膨らませる、
回春型のストーリーとなっている。
桃は食べる
拾った桃を普通に食べる。
桃と食べたお爺さんとお婆さんは
一瞬で若返って子供が産まれた。
桃太郎が産まれる
若い女の尻(桃)から生まれたから
「桃太郎」とも解釈できる。
お爺さんとお婆さんは
イケメンと美女になったままではなく、
元に戻ってしまう。
ゆえに桃の効果は
一晩限りであったと考えられる。
桃はチカラを使い果たしたため
朝には年寄りに戻った……
と考えるのが妥当であろう。
②明治時代以降
大きな桃から生まれた桃太郎が
悪さをする鬼退治のために
鬼ヶ島に向かった話が主流となる。
子供が喜ぶ「鬼退治」の部分が
話のメインになっており、
バトル物のストーリー展開である。
教科書に載せた
(http://webun.jp/item/7506988より引用)
国定教科書に載せるために、
「桃から生まれたこと」にした。
なぜなら、
「若返ったら子供ができた」では
親が子供に
「どうやったら子供ができるの?」と聞かれ、
学校に苦情が殺到するからである。
バトル物に
(月岡芳年 「芳年略画 桃太郎鬼ケ島行」より引用)
明治以降、
日本は急速な近代化によって
富国強兵政策を行っていく。
日清戦争⇒日露戦争⇒
第一次世界大戦⇒第二次世界大戦と進む。
軍国主義によって、
子供の教育に使われる桃太郎の話も
変わっていったというわけだ。
プロパガンダ
太平洋戦争においては、
軍国主義における勇敢さの象徴とされた。
鬼(鬼畜米英)を退治するのが、
桃太郎(日本兵)という
プロパガンダである。
軍国主義化
「異常出生=神の子」であり、
「桃太郎=英雄神話」と解釈できる。
日本初の長編映画は、
日本海軍作の「桃太郎 海の神兵」なる
プロパガンダ映画である。
日本軍の兵士は、
神国日本の英雄という内容だ。
近代ではソフト路線に
近代の子供向けの絵本では
「話し合い」で解決したという改変も多い。
宝を持ち帰る部分に矛盾が生じているが、
そこはスルーされている。
つまらなくなる
話し合いって……
最近はクレーマーの影響で
どんどんツマラなくなっている。
ドラえもんにしたって、
のび太が頼もしくなっていたり
ジャイアンがイイヤツ過ぎたり、
キャラが立たなくなってきている。
ファックもバトルもあるような、
「大人の絵本」の方が面白いと思うのだが。
悪人説
重要な点は、
・鬼は悪さをしていたのか?
・鬼退治の動機
の2点である。
桃太郎は善人か、悪人か。
ポイントは行動の「一貫性」である。
鬼は悪さをしたのか?
桃太郎には多数の改変話がある。
地方によっても違う。
実は、
鬼が悪さをしたという描写があるのは、
2冊に1冊くらいの割合である。
半分は悪さをしたのかハッキリしない。
「鬼が悪さをした」
具体的に内容を示さず、
悪さをしたことだけ記されている話も多い。
したとされる悪行
・子供や娘をさらった
・人々を食べる
・村の宝を盗む
・田畑を荒らす
・悪い病気を流行らせる
この中で悪行と呼べるのは
村人を「さらう」「食べる」くらいだ。
なぜなら、
村の宝を盗むといっても、
貧しい村人が宝を持っているのは
設定に無理がある。
また田畑を荒らしたり、
悪い病気を流行らせても
鬼側に何のメリットもない。
一貫性なし
話によって悪さの種類が違うので、
鬼の所業には「一貫性がない」といえる。
具体性も弱い場合が多い。
つまり「でっちあげ」の可能性が高い。
単に見たメだけで
悪者と判断された可能性がある。
ウソをついているヤツの話には、
一貫性や具体性がないのですぐわかる。
企業の面接においても、
一貫性のない自己PRはすぐバレる。
ではなぜ「でっちあげ」の
必要があったのか?
鬼退治の動機
「宝を奪うのが目的」と考えれば、
話に一貫性ができる。
不可解な点
(Wikimedia Commonsより引用)
そもそも「鬼を懲らしめる」のと
「宝を持ち帰る」のは別の話である。
鬼が悪さをしたのならば
懲らしめるだけで済む話なのに、
どうして宝まで持ち帰る必要があるのか?
はじめから「宝が目的」では
なかろうか?
一貫性あり
(http://www.ehagaki.org/より引用)
懲らしめただけの場合と
殺した場合があるにせよ、
すべての話で鬼は退治されている。
そのうえ、宝まで奪われている。
鬼退治や宝を持ち帰る話には、
「一貫性」がある。
宝が目的だった
「鬼が悪さをしたから
鬼退治をした」という論理には
「悪さ」の一貫性がない。
いっぽう、
「鬼を退治して宝を持ち帰った」
という論理には一貫性がある。
つまり、
「宝を奪うために、鬼が悪さをしたことにした」
と考えるのが妥当である。
強盗殺人説
桃太郎は外国人への強盗殺人を
犯した可能性もある。
たまたま外国の貿易船が
日本の小島に漂着したケースを
歴史的事実を元に想定してみよう。
鬼は北欧のバイキングに
姿形がそっくりであるからだ。
世は大航海時代
(Wikimedia Commonsより引用)
桃太郎の話が産まれたのは
日本史においては室町時代であり、
世界史では大航海時代である。
大航海時代まではアフリカ・南米への
航海がメインであったが、
ルートやノウハウが確立されたので
より広範囲に活動を広げていた時期である。
(Wikimedia Commonsより引用)
極東アジアなど、
辺境の地まで外国の船が現れていた。
台風
欧米人が知らない台風や
季節風などで計画通りにいかず、
漂着せざるを得ない状況が考えられる。
見たことのない人間
眼の色や髪の色が違う。
肌が赤く体も大きい……
化け物が島に住みついた。
(これが「鬼」「鬼ヶ島」として言い伝えられる)
意味不明な言葉を話している。
呪術を使うかもしれない……
殺人
何をされるかわからないので、
猟師と鷹匠が呼ばれた。
まず猟犬や鷹に襲わせた。
弱ったところで人間がトドメを刺す。
無抵抗な彼らを
よってたかって袋叩きで殺した。
宝=船の積載物
船に積んであった物資や金品を
村に持ち帰った。
みんなで山分けして大儲け。
めでたし、めでたし……
もしそうならば、
人間のクズである。
桃太郎はもちろん、ジジイババア、
犬雉猿、村人……
皆が宝に目がくらんでいる状態だ。
きっと宝の奪い合いで内ゲバを起こし、
共倒れになっていたであろう。
日本全滅の可能性
人間というのは、
やられたら「倍返し」しないと気が済まない。
コイツラのせいで欧米列強の怒りを買い、
あと一歩で日本が植民地化されるところであった。
ヘタすればインカ帝国のように
全滅させられていたかもしれない。
ダメ人間の可能性
全国的に、桃太郎は働き者に
育った話が主流である。
しかし、
中国四国地方では横着で怠け者に
育った話が伝承されている。
ニート説
山へ柴刈り(薪拾い)や
畑仕事などの重労働をしたくないから
強盗殺人を犯した……
そのようにも考えられる。
なぜ鬼は悪者なのか?
隠・陰(オン)⇒オニ。
「姿の見えない者」が「鬼」と
呼ばれるようになった。
自然災害や疫病、争いなどの
「災い」が鬼の所業とされていた。
濡れ衣
悪いことをした者が「鬼」ではなく、
悪いことがあったら「鬼の仕業」と
考えられてきた。
濡れ衣もいいところである。
明治維新と同じ現象
明治維新では、勝った薩長同盟が
「新政府軍」と呼ばれている。
負けた側は「旧幕府軍」と呼ばれ、
賊軍扱いである。
もし薩長同盟が負ければ、
「反乱軍」と表記されていたはず。
敗者=悪
桃太郎と鬼の戦いにおいて、
鬼は自分たちの宝を守ろうと
正当防衛したに過ぎないのではないか?
鬼が負けてしまったので
一方的に悪者にされて伝承された、
と考えることができる。
理由を後付け
子供向けの童話においては、
鬼退治に行く理由を
本編とは別に解説しているモノがある。
勝てば官軍……
勝った方が都合の良いように
負けた方を悪者にしていると
疑われても仕方ない構成である。
勝者=正義
歴史とは、
勝った方に都合よく改変される。
勝てば建国の英雄として、
負ければテロリストとして語り継がれる。
この冴えない小デブなオッサンも……
戦争に勝つと、こう描かれる。
鬼の正体
風水において、
十二支は時刻や方角を表す。
時計回り
スタートの子(ね)は、
0時(北)を表す。
そこから時計回りに
ネズミ、ウシ、トラ、ウサギ……と
一周していく。
たとえば、
「丑(うし)の刻」とは、
1時・13時のことである。
鬼門
鬼は鬼門(北東)からやってくるとされる。
鬼門から牛のような角を生やして、
虎の腰巻を履いた姿でやってくる。
なぜ犬・雉・猿なのか?
犬は忠義、雉は勇気、猿は知恵の象徴とされる。
裏鬼門
鬼門の怪物を退治するために
裏鬼門(北西)のサル・トリ・イヌを率いた
というのが風水の解釈である。
犬猿の仲
「犬猿の仲」といわれるように、
犬と猿は仲が悪い。
風水では猿⇒鶏⇒犬の順であり、
雉が真ん中である。
犬と猿を仲裁していたのが
きっと雉なのであろう。
熊や狼は?
本来ならば、
熊や狼を仲間にすべきである。
当時はツキノワグマもニホンオオカミも
多数生息していたはず……
ヤツらの方がよっぽど戦力になる。
キジでも差し出して
クマをスカウトするのがベストであった。
しかし、
十二支に含まれないので
戦力外となってしまったようである。
キビ団子の正体
「日本一のキビ団子」
桃太郎に登場する「キビ」とは
漢字では「黍団子」(きびだんご)と書く。
(トウモロコシをキビという地方があるが、
キビ団子のキビとは異なる)
原料(黍)の名称であり、
生産地(吉備)ではない。
黍(キビ)団子
キビ団子の原料となるのは
アワ・ヒエなどと同様の雑穀である。
蒸して団子に
モチ米からモチを作るのと同様に作る。
黍を蒸してから臼と杵でついてモチにし、
団子状に丸めたものである。
桃太郎が持参したのはこちらである。
吉備団子
(Wikimedia Commonsより引用)
岡山県の銘菓に「吉備団子」があり、
1850年代に登場した。
桃太郎の話ができてから
数百年後に登場したものである。
同音を利用
こちらの主原料は餅米であるが、
「岡山=吉備国⇒キビ団子」という
同音を巧みに利用した。
販売促進のために「桃太郎の吉備団子」として
地域を上げて桃太郎と関連付けた。
現在でも「キビ団子=吉備地方の団子」と
勘違いしている人が多い。
日清戦争でPR成功
全国の兵士は山陽鉄道に乗って、
岡山を通って広島に集結し、
戦地に向かった。
日清戦争を鬼退治に重ね、
兵士を桃太郎になぞらえるPRが大成功。
帰還兵士が「おみやげ」として購入し、
全国的に有名な銘菓に成長した。
まとめ
桃太郎が鬼退治をした動機は
宝物目当てである可能性が高い。
ゆえに悪人説は否定できない。
「鬼」とは、
バイキングの可能性もある。
また、ゆかりの地として
戦後の巧みなPRで成功した岡山県は、
年代がまったく合わない。
愛知県・香川県も有力候補といえる。