大量絶滅は、恐竜だけでない。
地球では恐竜絶滅と同等以上の大量絶滅が、
「少なくとも5回」あったとされる。
(実際は9回以上ありそう)
そして現在は、
6回目の大絶滅が「猛スピード」で進行中だ。
それぞれの時代を代表する生物と大絶滅は
どのようなものだったのか?
地球史
138億年前 ビッグバン
46億年前 太陽誕生
45億年前 地球誕生
微生物の時代(45~5.5億年前)
冥王代(45~40億年前)大絶滅?
太古代(40~25億年前)大絶滅?
原生代(25~5.5億年前)大絶滅?
先カンブリア時代は、
微生物の時代が30億年以上続いた。
繁栄の時代(5.5~2.5億年前)
カンブリア紀(5.5~5億年前)
オルドビス紀(5~4.5億年前)★大絶滅①
シルル紀(4.5~4億年前)
デボン紀(4~3.5億年前)★大絶滅②
石炭紀(3.5~3億年前)
ペルム紀(3~2.5億年前)★大絶滅③
古生代では、
爬虫類・哺乳類以外の
ほとんどの生物が出現した。
爬虫類の時代(2.5億~0.6億年前)
三畳紀(2.5~2億年前)★大絶滅④
ジュラ紀(2~1.5億年前)
白亜紀(1.5~6600万年前)★大絶滅⑤
中生代は、
恐竜を含む大型爬虫類の時代である。
哺乳類の時代(6600万年前~今日)
古第三紀(6600~2300万年前)
新第三紀(2300~258万年前)
第四紀(258万年前~今日)☆大絶滅⑥進行中
新生代は、哺乳類の時代である。
いよいよ人類が登場する。
ビッグファイブ
地球の過去にあったうち、
特に大きな絶滅イベントを
「ビッグ5」と呼ぶ。
①②は未だに原因不明であり、
③④⑤は原因が解明されつつある。
まず①~⑤の原因と結果を
ざっくり解説する。
①オルドビス紀末
(Wikimedia Commonsより引用)
軟体動物の時代は
全生物種の85%が絶滅して終焉を迎えた。
近くの宇宙で超新星爆発が発生し、
そのガンマ線バーストが地球に到達。
オゾン層を破壊して急激な
氷河期となったのが原因とされる。
②デボン紀末
(https://www.youtube.com/watch?v=5pVTZH1LyTwより引用)
魚の時代は、
海洋生物の80%以上が絶滅し、
全生物種の82%が絶滅して終焉を迎えた。
寒冷化や低酸素化などの
急激な環境変化によるとされるが、
原因はいまだ不明である。
③ペルム紀末
(https://www.youtube.com/watch?v=yhDJq23ibTkより引用)
哺乳類祖先の時代には
地球史上最大の大量絶滅が起こってしまった。
超大陸パンゲアの「形成」が、
超火山活動を引きこし、
超温暖化や無酸素事変を招いたのが
原因とされる。
海洋生物の96%、全生物種で95%、
個体数で99%が死滅したといわれる。
海洋に至っては、
無脊椎動物種の98%が絶滅し、
ほとんど生物がいなくなった。
せっかく大繁栄した我々哺乳類の祖先は、
ここで壊滅状態になってしまった……
生態系の回復に陸上では1000万年、
海中では2000万年もかかった。
④三畳紀末
(Youtube:The Evolution of Lifeより引用)
爬虫類祖先の時代は、
海洋生物種の20%、
全生物種の76%が絶滅して終焉を迎えた。
超大陸パンゲアの「分裂」が
火山活動を引き起こし、
急激な高温化や海水の酸性化を
招いたのが原因とされる。
他の種が絶滅していくなか、
爬虫類は低酸素や高温に強かったので
生き残って恐竜に進化した。
⑤白亜紀末の絶滅
(Youtube:The Evolution of Lifeより引用)
恐竜の時代には巨大隕石が落ちて
全生物種の70%が絶滅した。
隕石落下の熱や衝撃だけでなく、
巨大地震や巨大津波が襲った。
チリやススによる光合成の妨害や
酸性雨の影響で、まず植物が壊滅した。
食物連鎖で他の生物も絶滅した。
ただし、
隕石という瞬間的な原因だったため
数十万年続いた他の大絶滅と違い、
生命の復活は速かった。
⑥新完世大量絶滅
(Youtube:The Evolution of Lifeより引用)
恐竜時代の絶滅は1000年に1種であった。
現代ではその20万倍以上のペースで
絶滅が進んでおり、これは、
ペルム紀大絶滅と同等のペースである。
サルから進化したヒトが原因である。
では、
各時代と大絶滅を詳しくみていこう。
先カンブリア時代(45~5.5億年前)
冥王代・太古代・原生代は
「微生物の時代」である。
3つを合わせて「先カンブリア時代」と呼ぶ。
地球誕生から、
肉眼で確認できる大きさの化石が
見つかるまでの期間である。
地球最初の生命は、どこで生まれたのか?
冥王代(45~40億年前)
(Youtube:Archean Eonより引用)
地球史のスタートである。
最初の冥王代は、
地球誕生から最初の生命が
生まれるまでの時代区分である。
冥王代初期では直径1000kmや500kmの
小惑星が数えきれないほど衝突し、
今でも多くのクレーターが残っている。
白亜紀末に恐竜絶滅させた巨大隕石は
直径15kmだったので次元が違う規模だ。
マグマオーシャン
(Wikimedia Commonsより引用)
誕生したばかりの地球の想像図である。
太陽系の近くで超新星爆発があり、
散らばった微惑星がぶつかり合って
重力が発生し球状になった。
原始地球の誕生である。
岩石や地層が存在しないので、
実態が闇に包まれており
冥王代は「冥王ハデス」にちなむ。
大量絶滅があった?
(NASAより引用)
原始地球に氷の惑星などが
何度も何度も衝突した。
NASAによると、冥王代の途中で、
半分が水で半分が炎の惑星が完成した。
この状態になってからでも
何度か巨大隕石が衝突したという。
地球誕生から2~4億年後に海ができた。
超酸性で塩分や重金属が
超高濃度だったので「猛毒の海」だった。
ウラン床の自然原子炉など、
高エネルギー環境下で
リン酸・アミノ酸・脂肪酸などが発生し、
集合して自己増殖するようになり、
原始生命が誕生したとされる。
原核生物
原始生命の中に猛毒の海を耐えられる
個体が出現し、原核生物に進化した。
全生物の共通祖先の登場であり、
冥王代末期に誕生したとされる。
ここまでに、
地球誕生から5億年かかった。
細菌のような生命が40億年前に
深海の海底熱水噴出孔に発生したらしい。
(Youtube:Archean Eonより引用)
その原核生物は高エネルギー環境下から
離れるだけで死滅する儚い命だった。
何度も衝突する巨大隕石で、
大絶滅したと予想できる。
そこで、
太陽エネルギーを利用する生命が
現れたのである。
太古代(40~25億年前)
原核生物から真核生物が生まれるまでの
時代区分である。
32億年前 シアノバクテリア(原核生物)が誕生
27億年前 シアノバクテリア大繁殖⇒大量の酸素
(原生代:20億年前 真核生物の出現)
シアノバクテリア
(Wikimedia Commonsより引用)
この時代、
生命はまだ海洋中のみに存在していた。
太古代の途中で、
酸素を発生させるバクテリアが出現した。
光合成により、
二酸化炭素から有機物と酸素を作った。
シアノバクテリアの集合体は
「ストロマトライト」と呼ばれ、
西オーストラリア海岸に現存する。
大量絶滅を引き起こした
(Youtube:All About The Archean Eonより引用)
原始大気は酸素が現代の1/100しかなく、
二酸化炭素が主であったが、
シアノバクテリアが大量増殖することで
大量の酸素が海中に溶けだした。
初期の単細胞生物にとって酸素は
高エネルギー過ぎて猛毒だったので
海中の生物は壊滅状態となる。
ビッグファイブには含まれないが、
微生物の大絶滅ではある。
いっぽうで、
猛毒だが大量の酸素を利用する生命が現れた。
真核生物の出現である。
原核生物
(Youtube:Archean Eonより引用)
原核生物は1つの細胞内に、
むきだし状態のDNAだけの単純構造であり、
単細胞生物しか存在しない。
原核生物の代表は、細菌類である。
真核生物
真核生物は次の原生代に出現する。
様々な細胞小器官を持ち
複雑な構造をしている。
蛋白質を作ったり分解したり、
独自にエネルギーを産生できる。
酸素を産む葉緑体を持ち、
酸素をエネルギーに変える
ミトコンドリアを取り込んで共生した。
やがて膨大な数が合体して、
動物や植物に進化していくことになる。
原生代(25~5.5億年前)
真核生物から多細胞生物が
生まれるまでの時代区分である。
目視できる生物が登場するのに、
地球誕生から35億年もかかった。
25億年前 オゾン層が形成
20億年前 真核生物の出現
10億年前 多細胞生物が出現
全球凍結(22・7・6億年前)
(Wikimedia Commonsより引用)
全休凍結は原生代に3回起こったとされる。
この全球凍結した地球は、
「スノーボールアース」と呼ばれる。
超新星爆発が連続し、
大量の宇宙線が地球に襲い掛かった。
その影響で水蒸気が雲になり、
太陽光が遮られて地球が凍ってしまった。
太古代における酸素大量供給は、
同時に二酸化炭素を急激に減らした。
温室効果ガスの急減は気温の急激な低下を招き、
地球が厚さ1000~3000m以上の氷床で覆われ、
気温は-100℃まで下がった地域もあった。
平均気温は-40℃……
そんな状態が数千万年続いたらしい。
多細胞生物の大量絶滅は免れなかった。
ホットスポット
このような環境で、
どのように生き残ったのか?
世界中に点在する活火山の周辺が
オアシスになっていたと考えられる。
地熱が氷の世界から生き物を救った。
当時の生態系は単純なうえに、
微生物ばかりである。
全生命種を維持するのに
皿1枚ほどのホットスポットが
1000個もあれば充分であった。
環境が戻れば、
すぐに爆発的増殖をして回復できる。
二酸化炭素が救世主
全球凍結中も火山活動は続いており、
火山ガスから二酸化炭素が供給は続いた。
液体ならば海に吸収されるが、
凍った海では吸収されない。
そのため、
大気の二酸化炭素濃度が急激に上がり、
温室効果によって気温が急上昇し、
スノーボールが溶け始めた。
しかし、
一難去ってまた一難が……
「超」巨大台風
急激な温度上昇による熱暴走が起こり、
-50℃から50℃へと、
一気に100℃上昇した。
「超」高温状態のまま、
不安定大気で発生した超巨大台風が
溶けた海を深海から根こそぎかき混ぜた。
深海生物は環境変化しにくいので
大量絶滅に強いが、お手上げである。
動物系生物には地獄であった。
植物系には天国
(Wikimedia Commonsより引用)
超高濃度の二酸化炭素に加え、
平均気温50℃の灼熱になったが、
海底からかき混ぜられて
海水は栄養豊富になった。
動物系生命には地獄であると同時に、
藻類・植物プランクトンには天国だった。
それらの爆発的増殖により、
大量の二酸化炭素が光合成によって
大量の酸素に変換された。
高濃度の酸素が充満されると同時に、
二酸化炭素が減っていき、
気温が適正下がっていく……
原生代だけでこんな天変地異が
3回も繰り返されたのである。
ただし、
この想像を絶する環境変化でも
生き残る生命が多数いた。
繰り返される環境の激変が、
真核生物を多種多様に進化させた。
オゾン層形成
大量の酸素が紫外線と反応して
オゾン層が形成された。
紫外線はDNAを破壊する。
オゾン層が紫外線をブロックするので、
生命が地上で生息できる下地ができた。
真核生物の進化
葉緑体とミトコンドリアを得て
猛毒である酸素エネルギーを
利用できるようになった。
移動・合体・捕食により、
巨大化していく。
真核単細胞生物の100万倍となり
目視できるようになった。
多細胞生物の出現
(Youtube:The Evolution of Life part 1より引用)
海中では柔組織からなる多細胞生物が出現。
ワカメやクラゲのような形をしていた。
(Wikimedia Commonsより引用)
多細胞生物は捕食能力を持っており、
地球全体で生存競争が勃発した。
この時期も数千万年の間に
極寒期と極暑期が繰り返され、
環境の激変で大絶滅を起こした。
カンブリア爆発へ
高濃度の酸素とオゾン層による保護……
そして、
多種多様に進化した真核生物、
大量の植物プランクトン……
これらが、
地球史上最大の爆発的進化である、
「カンブリア爆発」のきっかけとなる。
先カンブリア時代が終焉し、
古生代に突入する。
古生代(5.5~2.5億年前)
地球誕生から40億年……
古生代のわずか3億年で
生命が一気に多様化する。
現存する動植物の「ほとんどの祖先」が
突如として登場したのである。
この3億年は約5000万年ごとに
6つの時代に分けられ、
各時代とも非常に個性的である。
(1つ1つの時代は短いと思いがちだが、
4000万年あれば、犬がクジラまで進化できる)
カンブリア紀(5.5~5億年前)
古生代最初の時代である。
地球生物史は、
カンブリア紀が最大の区切りといえる。
生命が爆発的多様化した現象は、
「カンブリア爆発」と呼ばれる。
カンブリア爆発
(https://www.youtube.com/watch?v=TI6OpS263z8より引用)
海中では三葉虫などの節足動物や
藻類が反映した。
サンゴや貝類、頭足類(イカやタコ)も出現。
原生代の海は微生物ばかりで地味だったが
古生代の海は派手といえる。
と同時に、
弱肉強食の生存競争が激化した。
生命はさらに多様化していく……
原因は不明
カンブリア爆発は、なぜ起きたのか?
オゾン層や大量の植物プランクトンといった
間接的な原因は考えられるが、
突然に爆発的多様化した直接原因は、
いまだ不明である。
節足動物の時代
アノマロカリス(体長1m)が
生態系の頂点であった。
奇妙なエビのような生物であり、
器用に泳ぎ回って捕食した。
当時は大きくても「こぶし大」の
生物ばかりだったため、
体長1mなら巨大生物だっただろう。
三葉虫が登場
古生代を代表的する生き物である。
体調は1cm~60cmと種類によって
差が大きい。
無脊椎動物での知名度は
アンモナイトと双璧をなす存在だ。
ここから2回の大絶滅を生き抜いたが、
3回目のペルム紀大絶滅に巻き込まれ、
3億年の歴史を閉じることになる。
オルドビス紀(5~4.5億年前)
海洋において、カンブリア紀並みに
生命の多様化が進んだ時期である。
ここから、
現代人にもおなじみの生物が登場しだす。
陸はいまだに植物も生物もいない
荒涼の大地であった。
軟体動物の時代
(Wikimedia Commonsより引用)
オウムガイのような軟体動物や
軟骨魚類が出現した。
(Youtube:The Evolution of Lifeより引用)
ウニ・ヒトデ・貝類・オウムガイは、
この頃から出現し、
5度の絶滅を乗り越えて現存している。
①オルドビス紀末の大量絶滅
ビッグファイブ第一弾である。
せっかく花開いた生態系が
壊滅状態になってしまった……
NASAによれば、
近隣での超新星爆発によって
ガンマ線バーストが地球に届く。
オゾン層が破壊されて酸性雨が降り、
地球寒冷化が引き起こされるらしい。
突然の氷河期
当初は温暖な気候であり、
海水面は現在より100~200mも高かったが、
地球が急激に冷却され氷床が形成。
海水面が70m下がってしまった。
この氷河期は50万年と非常に短く終わり、
温暖に戻って氷床が解け、海面が戻った。
2回の絶滅
(Wikimedia Commonsより引用)
オルドビス紀の大絶滅は
海面低下時と海面上昇時の2回起こっている。
大陸移動のような緩慢な環境変化ではなく、
突然発生した原因があるとされる。
それがガンマ線バーストではないか、
という説が有力である。
オルドビス紀の大絶滅では
全生物の85%が消えたといわれる。
これはペルム紀の大量絶滅に次ぐ
地球史上2番目の規模である。
シルル紀(4.5~4億年前)
シルル紀は大絶滅を生き延びた生物が、
本格的に陸に進出し始めた時代である。
この頃の陸地は現代と違う形であり、
小大陸に分かれてバラバラに離れていた。
最初に進出を果たしたのは、
植物と昆虫であった。
植物が陸上へ
コケやシダなどの植物が
陸に進出したのは画期的であった。
甲殻類(エビなど)やプランクトンも
陸に進出し、小さな昆虫へと進化した。
豊かな海
(Youtube:The Evolution of Lifeより引用)
オルドビス大絶滅の生き残りが
生態系の空席埋め爆発的増殖と
進化を果たしていた。
海はサンゴが繁栄し、
三葉虫やウミサソリなど
無脊椎動物が支配していた。
アンモナイト
アンモナイトはこの時期から出現し、
白亜紀に恐竜と共に絶滅するまで、
3億年以上も絶滅せず生き抜いた。
世界中に広く長く分布したので、
化石が時代の基準になるほどである。
直径は数cm~十数cmの小型メインだが、
2mの巨大アンモナイトも発見されている。
魚類が淡水域へ
(Wikimedia Commonsより引用)
骨やウロコを持つ硬骨魚類が出現したが、
無脊椎動物のエサでしかなかったので
淡水域に逃げ始めた。
環境が安定している海と違って、
温度も水質も激変する淡水域は
地獄だったであろう。
次の時代に陸上へ
魚類は次のデボン紀に陸上へ進出していく。
干潟には豊富なエサがあり、
水中よりも捕まえやすかった。
適応前こそ地獄だったが、
陸上に適応した後は天国だった。
ヒレを手足のように変化させ、
魚類⇒両生類⇒哺乳類・爬虫類への
進化を産み出すことになる。
デボン紀(4~3.5億年前)
デボン紀は「魚の時代」といわれる。
強力なアゴを持つように進化した魚類が、
今度は無脊椎動物を征し、
脊椎動物として初めて生態系の頂点なる。
魚の時代
(Youtube:The Evolution of Lifeより引用)
現代に通ずる硬骨魚類の種類や数が
一気に増えた時代である。
ダンクレオステウス
画像はデボン紀の海の王者である、
ダンクレオステウス(体長10m)だ。
(https://www.youtube.com/watch?v=5pVTZH1LyTwより引用)
鎧のような硬い板状の皮膚で守られ、
強力なアゴで海の頂点に君臨していた。
ヒトの祖先=魚類
(http://universe-review.ca/より引用)
干潟にはエビやカニ、小魚などの
豊富なエサがあった。
水中では逃げ回れらるが、
陸地だと追い詰めやすい。
浅瀬や水中にいた魚類は
ヒレを使って干潟で捕食行動を開始した。
(ムツゴロウなど、
現代でもこのような魚類は多数いる)
両生類への進化
(Wikimedia Commonsより引用)
脊椎動物として、
初の陸上進出を果たしたのは、
イクチオステガである。
……が、歩くことはできず、
まだペタペタ這い回っていた。
ヒレが手足のように進化すると、
次々に陸上へ進出し始めた。
シーラカンス
(Wikimedia Commonsより引用)
「生きた化石」の代名詞的存在である。
現生種は深海に生息しているが、
もともとは淡水や浅瀬の魚である。
世界中に多様な亜種が繁栄していた。
白亜紀の隕石衝突により壊滅したが、
数種類はデボン紀から現存している。
最古の森林
(Youtube:Devonian forestより引用)
いっぽう陸地では、
シダ植物が最古の森林を産むと同時に、
湿地帯が形成されはじめ、
昆虫類が繁栄する下地ができた。
②デボン紀末の大量絶滅
せっかく我々の祖先となる魚類が
陸上に進出を果たしたにもかかわらず、
2度目の大絶滅が起こってしまった……
全生物種の8割が絶滅したといわれる。
寒冷化、温暖化、乾燥化、低酸素化などの
痕跡はあるが、決定打とはいえない。
原因不明
魚類の絶滅率は海水域で90%あったが、
淡水域では30%に留まった。
貝類の絶滅率は赤道域で90%あったが、
冷水域では30%に留まった。
このあたりにヒントが隠されていそうだが、
原因はよくわかっていない。
石炭紀(3.5~3億年前)
デボン紀の大絶滅で魚類が衰退し、
「巨大昆虫の時代」に突入する。
陸上に上がった両生類から、
「哺乳類の祖先」と「爬虫類の祖先」へ
分岐した時代でもある。
森林が大繁栄
(Youtube:Carboniferous Forest – Forest Simulatorより引用)
陸地が赤道付近に集まりはじめ、
熱帯性の気候となった。
陸上植物にはライバルがおらず、
世界中で森林が大規模化していった。
この時代の地層からは、
石炭が大量に採掘される。
この時代に大繁栄した植物は、
産業革命で人類の大発展にも
つながったのである。
昆虫も大繁栄
(Youtube:Carboniferous Forest – Forest Simulatorより引用)
森林の増殖と同時に、
世界中に大規模な湿地が形成された。
鳥のような捕食者がおらず、
エサとなる植物が大量にあるので
草食系昆虫が爆発的に増殖した。
それをエサにする肉食系昆虫も
後を追って繁殖……
生態系の頂点に立った昆虫が、
次々と巨大化し始めた。
巨大昆虫の時代
大量の植物が大量の酸素を産生。
酸素濃度35%(現代21%)となり、
数が増えるだけでなく、巨大化した。
メガネウラ
(Wikimedia Commonsより引用)
体長75cmのトンボであり、
史上最大の飛行昆虫といわれる。
幼虫のヤゴですら30cmあった。
かなり獰猛な性格であり、
昆虫界では頂点捕食者の1種であった。
アースロプレウラ
体長3m幅45cmの超巨大ムカデ。
史上最大の節足動物とされる。
頑丈な殻を持つうえに、
多数の体節があり柔軟に動ける。
無敵の巨大昆虫であったが、
草食性で大人しかったとのこと。
ワラジのようなゴキブリの
化石も発見されているが、
もっとデカいのがペルム紀に出現した。
両生類⇒爬虫類・哺乳類
デボン紀に出現した両生類が
陸上に適応して、爬虫類型生物が誕生。
そして、
「爬虫類の祖先」と「哺乳類の祖先」という、
新しい爬虫類型生物に分岐した。
恒温動物と変温動物
図鑑でよく見るコイツは
爬虫類にしか見えないが、
哺乳類の祖先にあたる。
背中の帆は体温調節に使った。
次の時代には、
この体温調節能力が恒温性に進化する。
自力で体温を保つことが可能となり、
寒冷地にまで生息範囲を拡大した。
いっぽう、
爬虫類は変温動物であり、
自力で体温を保つことができない。
周りの温度が下がると
体温も共に下がるので動けなくなり、
温暖な地域にしか生息できなかった。
海ではサメが頂点
デボン紀大量絶滅後の空席には、
軟骨魚類が巨大化して占有した。
サメはこの時代から登場し、
現代まで同じ形である。
この頃からすでに進化の頂点を
極めていたともいえる。
(Wikimedia Commonsより引用)
ヘリコプリオンは体長4mに達し、
丸ノコのような歯で獲物を切り裂いた。
ペルム紀(3~2.5億年前)
古生代最後の時代である。
「哺乳類の祖先」が大繁栄した時代だが、
地球史上最大の絶滅が起こった年代でもある。
世界中の大陸が衝突して、
「超大陸パンゲア」を形成したのが原因である。
豊かな生態系
巨大な両生類や爬虫類だけでなく、
石炭紀に出現したような、
爬虫類・哺乳類両方の祖先となる
爬虫類型の生物も豊富にいた。
浅瀬からは多種多様な化石が発掘され、
手足のようなヒレを持つ魚類も多数いた。
植性
シダ植物が進化し、
イチョウやソテツなどの裸子植物(木)が出現。
石炭紀から植物の大繁栄は続いており、
酸素濃度が高くなり、30%にまで達した。
完全変態の昆虫も出現した。
巨大ゴキブリ
石炭紀から続いた高い酸素濃度は
昆虫を巨大化させ続ける。
地球史上最大ゴキブリである
アプトロプラッティナは体長50cmだった。
「哺乳類の祖先」が大繁栄
(Wikimedia Commonsより引用)
哺乳類の祖先から、
体毛を生やして恒温性を持ち始め、
獣型に進化するグループが出現した。
高度な生活
(https://www.youtube.com/watch?v=yhDJq23ibTkより引用)
体毛が生えると一気に哺乳類感が出る。
寒さに強くなったので、
今まで生物がいなかった地域に
進出できるようになった。
巣穴を掘ったり育児をしたり、
特殊能力もあり急速に繁栄・拡大した。
我々の祖先が大繁栄したところで、
地球史上最大の絶滅が起こってしまった……
③ペルム紀末の大量絶滅
地球史上最大の大量絶滅……
「全滅」の方が近い表現になる。
原因はハッキリしていないが、
ペルム紀の大絶滅は
700万年の間隔をあけて2回起こっている。
スーパープルームと
スーパーアノキシアの説が有力である。
超大陸パンゲア
多数の大陸プレートが
一ヶ所に集中し、衝突することで
地球中の大陸がすべて1つになった。
プレート衝突の集中反動により、
パンゲア全体で次々に大災害が発生した。
スーパープルーム
(https://www.youtube.com/watch?v=h6wTgso7yzwより引用)
超大陸パンゲアの形成が
巨大なマントルの上昇流を引き起こす。
このプルーム大噴火では、
地球全体の火山口や地面の割れ目から
2000mの高さまでマグマが噴き出した。
この噴火が20万年も続いたという。
シベリア・トラップ
(Wikimedia Commonsより引用)
現在のシベリアにあたる地域では
地球史上最大の噴火が発生した。
降ったマグマで日本の4倍の面積が埋まった。
「超」温暖化
火山ガス自体が熱いだけでなく、
大量の温室効果ガスが含まれる。
植物による光合成の壊滅でも
二酸化炭素が激増したので、
地球の気温が急上昇した。
さらにそれらによって
深海のメタンハイドレートが気化し、
大量のメタンが発生。
さらに温暖化が進むという悪循環となる。
海面温度は40℃に達する致死的猛暑が
陸でも海でも生物を死滅させた。
3億年間絶滅を生き抜いた三葉虫も、
ここで絶滅した。
スーパーアノキシア
(https://www.youtube.com/watch?v=h6wTgso7yzwより引用)
まず、植物が壊滅状態になった。
単純に溶岩で燃えただけでなく、
火山灰が日光を遮り、
光合成できなくなったからだ。
「超」酸素不足
大気に放出されたメタンと酸素が反応し、
酸素濃度が著しく低下した。
大噴火と植物壊滅による酸素不足に
ドドメを刺された形になった。
長期間大繁栄した植物の光合成によって
30%もの酸素濃度だったが、
壊滅後は10%にまで低下した。
(生物は15%で呼吸困難を起こし始める)
ちなみに平地の酸素濃度は21%であり、
富士山頂13.5%・エベレスト山頂7%である。
ペルム紀はもともと簡単に自然発火して
山火事が発生するほど酸素濃度が高く、
低酸素に適応できない種が多かった。
酸欠で生物が壊滅するだけでなく、
高温で水が干上がり「超」水不足も発生。
スーパープルームを生き延びた
植物や生物が壊滅した。
草食生物が大型のものから順に消滅し、
後を追うように肉食生物も消滅し、
ペルム紀は終焉を迎えた。
爬虫類が残った
致死的猛暑+酸素不足の
ダブルパンチが20万年も続き、
全生物の99%以上が死滅した。
大繁栄した哺乳類の祖先が壊滅したが、
爬虫類は高温にも低酸素にも強かった。
わずかに残った爬虫類が、
次の時代に覇権をとる。
中生代(2.5~6600万年前)
中生代は、「恐竜の時代」ともいえる。
三畳紀・ジュラ紀・白亜紀と、
3つの時代に分けられる。
※恐竜=直立できる爬虫類
このわずか2億年弱で、
生物が次々に巨大化を果たした。
三畳紀(2.5~2億年前)
中生代最初の時代である。
ペルム紀の大絶滅によって
哺乳類祖先が壊滅状態になり、
生態的地位に大量の隙間(ニッチ)ができた。
爬虫類祖先がニッチを埋めた。
恐竜の出現
(Wikimedia Commonsより引用)
爬虫類祖先が進化し、恐竜が出現した。
エオラプトル(体長1m)が
最古の恐竜といわれる。
さらに多種多様に進化し
魚竜や翼竜、ワニの祖先も現れた。
哺乳類の出現
(Wikimedia Commonsより引用)
「哺乳類の祖先」も進化し、
ネズミのような哺乳類が出現した。
アデロバシレウスは最古の哺乳類といわれる。
ペルム紀の大絶滅を乗り越え、
恐竜や哺乳類が出現し、
これから地球が活気を取り戻すはずが……
④三畳紀末の大量絶滅
(Wikimedia Commonsより引用)
ペルム紀末に合体した超大陸パンゲアは、
三畳紀末になると、分裂を始めた。
超大陸パンゲアの分裂
超大陸パンゲアが、
ローラシア大陸とゴンドワナ大陸に
分裂をし始めた。
大陸プレートに亀裂が生じ、
再び全世界的に火山活動が勃発。
二酸化炭素濃度が2倍になり、
海水の酸性化が起こった。
プランクトンが死滅し、
食物連鎖を破壊し、海の生物が壊滅。
高温化と乾燥化によって植物が壊滅し、
食物連鎖で他の生物も壊滅した。
ペルム紀からやっと回復した生態系だが、
これらの変化があまりに急速だったため、
環境変化についていけず全生物の
3/4が姿を消して三畳紀は終焉した。
ジュラ紀(2~1.5億年前)
「草食恐竜の時代」である。
大量絶滅もなく、気候も安定しており、
草食恐竜が多い平和な時代という印象だ。
現在より温暖多雨な気候となり、
生き残った動植物が繁栄した。
海では魚類が多種多様に進化した。
内陸部まで生息域を拡大した植物界では、
地球植物史上1番の大事件が起こった。
被子植物(草)の出現である。
草食恐竜の時代
(Jurassic Worldより引用)
三畳紀末の大絶滅により
大型の爬虫類・両生類がほぼ絶滅し、
当時は小型だった恐竜が空席を埋めた。
植性が均一に
超大陸パンゲアは2つに分かれ、
北はローレンシア大陸、
南はゴンドワナ大陸に完全分離した。
気候は安定しどちらも均一であった。
気候が均一ということは、
植物も均一になる。
草食恐竜が世界中でが大繁栄。
次々に巨大化していった。
大型草食恐竜である竜脚類の化石は
世界中の大陸で見つかっており、
恐竜模型の代表的存在である。
海の大型爬虫類
三畳紀の大絶滅では、
海洋のダメージが少なかったため、
大型の魚竜や首長竜が繁栄していた。
プリオサウルス
(BBCより引用)
体長15m、体重45t、歯は30cm。
ジュラ紀魚竜界の頂点であり、
通称「プレデターX」とも呼ばれた。
(BBCより引用)
3mのヒレを4枚持つので
巨体だが俊敏であり機動力が高かった。
ちなみに、
誤解されがちだが海の大型爬虫類は
魚竜や首長竜であって恐竜「ではない」。
恐竜とは直立タイプの爬虫類である。
プレシオサウルス
(Wikimedia Commonsより引用)
体長3~4m。
代表的なジュラ紀の首長竜である。
スピードは遅かったが、
回転・反転など機動力は高かった。
ネス湖のネッシーは
プレシオサウルスの生き残りらしい。
イクチオサウルス
(Wikimedia Commonsより引用)
体長3mほどでイルカと酷似しているが、
絶滅種なのでイルカの祖先ではない。
魚類でも爬虫類でも哺乳類でも、
海では同じ形に進化するのは興味深い。
被子植物の出現
植物界最大の事件が起こった。
花を咲かせる草が出現し、
裸子植物(木)から被子植物(草)が
植性の覇権を奪った。
植物も静かに、しかし激烈に、
生存競争をしていたのである。
(Wikimedia Commonsより引用)
この画像は現代の被子植物郡であるが、
圧倒的な繁殖力を感じられる。
花を咲かせ、昆虫に花粉を運ばせ、
世界中に種をバラ撒く作戦で、
「アッ!」という間に広まった。
実際、
庭や畑はすぐに雑草だらけになる。
成長が速い
裸子植物(木)は成長に数十年かかる。
いっぽう、
被子植物(草)は数ヶ月で成長し、
一斉に花を咲かせ、一斉に枯れる。
繁殖力がケタ違いである。
平野の植性が、草に変わっていき、
木は山間部や荒野に追いやられ始めた。
平野は草、山間部は木……
この植生は現代まで続いている。
世界中が「草」だらけになったが、
それは草食恐竜にとって、
終わりの始まりであった……(後述)
恐竜の巨大化
ジュラ紀は気候も生態系も安定しており、
巨大化ブームが起こる。
最初に巨大化したのは草食恐竜であった。
後を追うようにして
肉食恐竜も巨大化を開始した。
竜脚類
ジュラ紀に繁栄した草食恐竜のグループである。
10mを超える大型には天敵がいなくなり、
大繁栄してさらに巨大化した。
その中から30m以上の超大型まで出現した。
スーパーサウルス
(Wikimedia Commonsより引用)
体長33m、体重40tの超大型恐竜である。
1日550kgの草を食べており、
寿命は100歳を超えた。
ジュラ紀には他にも、
ディプロドクス、ブラキオサウルスといった
竜脚類たちが繁栄していた。
アロサウルス
体長10m前後、寿命は25年前後。
ジュラ紀を代表する肉食恐竜であり、
大型恐竜を狙う頂点捕食者だった。
同種ではティラノサウルスに次ぐ知名度がある。
始祖鳥の出現
小型の恐竜の中から、
巨大化ではなく「空」に活路を
見出したグループがあった。
鳥類の誕生である。
ジュラ紀後半には鳥が栄え、
空を支配していた。
昆虫の巨大化をストップ
森は巨大な昆虫だらけだった。
カモメのようなトンボが飛び回り、
ワラジのようなゴキブリが這い回る……
ところが、
翼竜と違って鳥は小回りが利く。
始祖鳥などの鳥類は、
機動力を生かして昆虫を大量に捕食し、
同時に鳥が世界中で大繁栄を開始する……
ここで昆虫の巨大化が止まった。
それは現代も同じ。
鳥が昆虫の大型化や大発生を
抑えてくれている。
このまま森林破壊を続ければ、
鳥の巣もエサ場も破壊されてしまう。
昆虫が大発生して痛い目に合うだろう。
白亜紀(1.5億~6600万年前)
「肉食恐竜の時代」である。
ジュラ紀末に大量絶滅の形跡はないが、
植性が一気に変わった。
主役が肉食恐竜に代わった区分を
白亜紀とした。
現在の形に近づく
超大陸「パンゲア」の分裂が進み、
大陸配置が現在に近くなった。
気温は現在よりも高く、
極地に氷がない。
海水面は現在より200m近く高かった。
多様化
大陸が分裂したので、
それぞれ独自の進化を遂げたため、
個性的な恐竜が多い。
ちなみに、
映画「ジュラシックパーク(ジュラ紀公園)」
に登場するのは白亜紀の恐竜がほとんど。
ティラノサウルス
(Wikimedia Commonsより引用)
恐竜代表ともいえるティラノサウルスは、
白亜紀の恐竜である。
体長13m体重10tあり、
アロサウルスよりも一回り大きかった。
地球史上最大の陸上肉食動物であり、
最強恐竜として人気No.1である。
生息期間は300万年と非常に短く、
化石が少ないのは残念だ。
アルゼンチノサウルス
(Wikimedia Commonsより引用)
全長45m、体重110tもあり、
史上最大の恐竜とされる。
仲間のティタノサウルスも
体長37m・体長70tと2番目に大きい。
ジュラ紀は草食恐竜全盛時代だったが、
調子に乗って巨大化し過ぎたため、
白亜紀で痛い目にあうことになる。
被子植物が大繁栄
メインのエサだった「木」が衰退し、
「草」が植性の覇権をとった。
エサとなる植物が
今までと変わってしまった……
草食恐竜の衰退
(https://news.cgtn.com/より引用)
竜脚類のような首の長いタイプは
キリンのように高い木の葉を
食べるのが得意だった。
(https://www.elsetge.cat/より引用)
しかし足元の草を食べるのは
トリケラトプスのような
首の短いタイプの方が得意である。
エサの取り合いに敗れ、
竜脚類は一気に衰退してしまった。
隕石が降ってくる前に竜脚類は
ほぼ絶滅してしまった。
環境に適応「し過ぎて」いると、
変化に弱く絶滅しやすい。
(現代では人類がソレに当たる)
おなじみの生き物たち
ジュラ紀同様、
恐竜やワニなどの爬虫類全盛期である。
陸・海・空すべてで
大型爬虫類が支配的地位を占めていた。
哺乳類はまだ小さかった
哺乳類は胎生を獲得するなど、
著しい進化を遂げたが、
恐竜に比べると弱い存在だった。
しかしその後、
この弱小生物が恐竜絶滅後の空席で、
大繁栄することになる。
サルコスクス
(Wikimedia Commonsより引用)
体長12mの史上最大ワニ。
肉食恐竜をもエサにするほどだった。
現在のワニとよく似ているが、
祖先とはなれず、絶滅した。
アーケロン
全幅5m、全長4m、甲長2.2mあり、
史上最大のカメである。
巨大だが大人しい性質であり
クラゲ・イカなどの軟体動物が主食だった。
恐竜絶滅へ
大陸が分裂しきって気候は安定した。
恐竜が巨大化し、頂点捕食者として
不動の地位に就いた。
恐竜に代わる支配者など、
この時点では想像できないが……
⑤白亜紀末の大量絶滅
もっとも有名な大量絶滅である。
「隕石+恐竜」はインパクトが強く、
ペルム紀大量絶滅より有名になった。
直径15kmの巨大隕石
(https://www.youtube.com/watch?v=VnUq33HCLzUより引用)
いまから6600万年前、
メキシコのユカタン半島に
隕石が衝突し地球全体の気候が激変した。
威力はヒロシマ原爆の10億倍に相当し、
直径180km・深さ20kmもの
クレーターができた。
隕石の痕跡
メキシコのユカタン半島には
チクシュルーブ・クレーターという痕跡がある。
地下水脈セノーテ(白い点)の分布や
隕石に多く含まれるイリジウムの検出が、
その根拠とされる。
衝突後シミュレーション
(https://www.yourdinosaurs.com/より引用)
爆心地から1000km以内の生物は
即死・焼死した。
隕石の衝突で全地表の温度が
300℃近くに急上昇した。
地震・津波・衝撃波・轟音
地球上のあらゆる場所で、
震度11以上の巨大地震に加えて、
高さ300m以上の巨大津波や
絶望的な洪水が襲った。
衝突1時間後には時速1000kmの
衝撃波が「すべて」をなぎ倒した。
さらに、
100Dbの「超」轟音がやってきた。
チリとスス
(https://www.dailymail.co.uk/より引用)
巨大隕石の衝突により、
大量のチリを撒き散らすと共に
堆積岩が燃えて大量のススが発生した。
それらが何年も日光を遮ることで
急激な寒冷化が起こると同時に
植物が光合成できなくなった。
絶滅の連鎖
(https://www.telegraph.co.uk/より引用)
①隕石が衝突する
②地球全体にチリ・ススが舞う
③植物が壊滅
④草食生物が壊滅
⑤肉食生物が壊滅
(https://ourplnt.com/より引用)
日光を遮られただけでなく、
チリやススが猛烈な酸性雨を招き、
植物が壊滅した。
食物連鎖が崩れてしまい、
陸上生物も次々に絶滅していく。
酸性雨は海を酸性化させ、
プランクトンが死滅し、
海洋生物をも壊滅させた。
わずかに生き残ったのは、
環境変化がマシだった深海種と
死骸をエサにできる腐食種だけだった。
恐竜とアンモナイトはここで絶滅した。
絶望的な被害
地球史上5回目の大量絶滅は、
大陸移動でも環境変化でもない。
突然現れた隕石によって起こったので、
桁違いのスピードで進行した。
地上生物種の50%、
海洋生物種の75%、
全体で70%の種が絶滅……
個体数では97%が死滅した。
桁違いのスピードで進行したが、
数十万年続いた他の大絶滅と違い、
わずか数年で生命が復活し始めた。
恐竜が絶滅したため、
次の時代には哺乳類が大繁栄する。
⑥新完世大量絶滅
ホモサピエンス(新人類)が
登場したのは20万年前である。
人口爆発
ここ100年で世界人口は爆発的増殖中である。
日本では、
縄文時代に2万人だったのが、
江戸時代には3000万人になり、
現在は1億2500万人である。
ペルム紀同等の大絶滅
実を言うと、
現在はペルム紀と同じペースで
大絶滅が進行している。
人間の文明生活が、
1年で200種以上を虐殺している。
地球の全生命は200万種……
単純計算すると、
あと1万年後に地球の生命が、
「全滅」してしまう。
究極生命体とは?
(Youtube:Mosasaur and Ammonite animation clipsより引用)
アンモナイトはデボン紀に出現して、
隕石落下まで3度の大絶滅を乗り越え、
3.5億年も絶滅せずに生き抜いた。
世界中に広く分布し、
魚の時代から恐竜の時代まで、
あらゆる地層で発見される。
そのため化石の代表であり、
年代判定の基準にもなっている。
現代でも仲間の「オウムガイ」を
生きた化石として水族館で見られる。
視力は超弱く、動きが超トロい。
自力で獲物を捕まえることができず、
落ちているエサを食うだけ……
深海に住んでいるにもかかわらず、
深すぎると水圧で殻が割れて死ぬ。
しかし、
オルドビス期から5回全ての大絶滅を
乗り越えた生き物である。
ゴキブリやサメの3億年や、
アンモナイトの3.5億年もスゴイが、
オウムガイの5億年はその遥か上……
実は地球史上最高の究極生命体かも。
まとめ
「生命は、絶滅するまで食い尽くす」
過去には火山や気候変動、
隕石などの自然現象で5回の大絶滅があった。
現在は6回目の大量絶滅の最中である。
いや、
先カンブリア時代を含めれば、
おそらく10回目であろう。
たとえば、
隕石や火山などの自然現象でもないのに、
他の種まで巻き込んで大量絶滅を
引き起こした種がいたとしよう。
そんな種は、
ゴキブリよりも存在価値がないといえる。
「超」大量消費を改めなければ、
我々人類が「地球史上最悪の害獣」に
なってしまうだろう。
超面白い!!
本文めっちゃ長かったはずなのに夢中になって読んでて、「もう終わっちゃった」という感覚。
人間は本当に一番の害獣だと思う。知能あるくせにその知能の正しい使い道が分かっておらずただの馬鹿。
人間以外のことでも、とても興味深く考えさせられる内容だった。遥か昔に絶滅した生物と非常に似ている生物が再び誕生するということは特にめちゃくちゃ面白い。
今の地球では恐竜や巨大昆虫が繁栄していた頃の地球を感じることはできないが、それでも確かにその歴史があったこと、今自分が立っている場所も恐竜などが歩いていたかもしれないと考えると実に感慨深い。
そして、私個人の願望としては、人類が激減し、他の哺乳類などの生物が豊かに暮らせる地球になってほしい。生物の頂点としての人間ではなく、ヒトという動物として存在するようになってほしい。