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【人類1/3が信者】なぜ?「キリスト教」日本や世界中に広まった理由

世界に広まった流れ

①ローマ帝国の国教になった
②宗教改革でカトリック衰退
③対プロテスタントで未開の土地開拓

①でヨーロッパに広まり、
②がきっかけとなって③で世界に広まった。

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世界宗教


イエス・キリストは3年間しか布教活動していない。
しかも活動範囲は四国ほどのエリアだけである。
にもかかわらず、
現在では全人類の3人に1人がキリスト教徒であり、
世界宗教ともいえる存在である。

なぜか?
世界中の支配者に利用されたからだ。

①ヨーロッパに広まる(4世紀)


キリスト教がローマ帝国の国教になり、
独占的に保護され地中海沿岸に広まり、
ヨーロッパ=キリスト教圏となる。

なぜ国教になったのか?
ローマ帝国が拡大するにともない、
多民族・多宗教となって内乱が増えた。
衰退しつつあったローマ帝国が
4世紀末にキリスト教を国教として精神統一を図った。

ローマ帝国分裂・滅亡(5世紀)


(Wikimedia Commonsより引用)
キリスト教を国教にしたものの、
すぐにローマ帝国は東西に分裂してしまう。
東はビザンツ帝国になり、
西ローマ帝国はわずか80年後に滅亡した。

ただし、
統治者が変わっても宗教は変わらず、
キリスト教はずっと続いた。

中世ヨーロッパ(5~15世紀)


中世ヨーロッパは、暗黒時代とも呼ばれた。

魔女裁判、異端裁判、宗教戦争、内乱……
13世紀には東から悪魔が(モンゴル帝国)、
14世紀にはペストが襲い掛かるなど、
永遠に続くような戦乱・疫病・政情不安定により、
宗教にすがるしかなかった時代が続いた。

この暗黒時代の心の拠り所が、
キリスト教だったのである。

完全に定着


暗黒時代をキリスト教に救われた……
もはや単なる宗教ではない。

ヨーロッパの文化は
「キリスト教が背景にあるかどうか」
その判断基準になるほど、
ヨーロッパにキリスト教が根づいた。

②宗教改革(16世紀)


16世紀はカトリックがヨーロッパを支配していた。
しかし宗教改革によって、
キリスト教はカトリックとプロテスタントに二分した。

「NHKから国民を守る党」がきっかけとなって、
溜まっていた国民の不満が爆発したようなものだ。

ルターの抗議


カトリック
「免罪符を買えば罪は許されますw」
「もっと買って!買って!買って!」

カネで救われる……
ドイツのカトリック教会は
現代日本の葬式仏教の如くカネで腐敗していた。


それにルターが抗議して宗教戦争に発展。
ヨーロッパ各国に宗教改革が広がり、
プロテスタントが急成長した。

ドイツ・フランスやその周辺は
プロテスタントが占めてしまった。

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③世界に広まる


カトリックは西に追されっぱなしで、
2大勢力はスペインポルトガルとなった。
なぜ現在は大国ですらないスペイン・ポルトガルが
最初に世界制覇したのかは、これが理由である。

信じる者は救われる

ヨーロッパの暗黒時代は、
カトリックによって救われた……
こんなに素晴らしい教えを、
もっと広めなくてはならない!

自分たちの優れた文化により、
遅れた文明の人々を導くのが我々の使命である。
(そう思ってわざわざ日本まで来てくれたw)

教えを世界に広める組織が必要である。

イエズス会


未開の土地に住む遅れた文明の人々に
教えを広めるために組織された集団である。

ヨーロッパで増大するプロテスタント勢力に対抗して
未開の土地で信者を増やした。

スペインは西(中米・南米)、
ポルトガルは東(アジア・中国)に向かった。
だから、
中米南米諸国はスペイン語圏なのである。

スペイン


15~17世紀に中米・南米を武力で制圧。
虐殺と強奪、ついでに布教も行った。

コロンブスやピサロの大虐殺から始まり、
インカ文明・アステカ文明などを滅ぼして
金銀を本国に送った。


黄金文化だったインカ帝国の財宝は、
すべて金の延べ棒に変えられてしまった……
貴重な文化財を壊すな、バカ共が!

ポルトガル


中東・北アフリカはイスラム教圏なので近づけない。
そこでまず、ブラジルに寄ってから
喜望峰を回ってインド⇒東南アジアと進んだ。

南米でブラジルだけポルトガル語なのである。
そのポルトガルの遠征メンバーに、
教科書に載っているザビエルがいた(後述)。

虐殺・奴隷・植民地化

南北アメリカ大陸ではインディアンが、
アフリカ大陸では黒人が、
虐殺・奴隷化され植民地となった。

しかし、日本とタイ王国はそれを免れた。
なぜか?
支配者がキリスト教を拒んだからだ。

日本へ

東南アジアを出て中国に向かう途中、
日本のことを知った一行はついでに寄った。

アジアやフィリピン同様、
日本の部族もキリスト教徒化してあげなくては!
と思って行ったら……

戦国時代


(Wikimedia Commonsより引用)
先に征服したフィリピン同様の想定だったが、
この島は思ったより文明が進んでおり
ちょっとビックリ……

手作りの弓を持つショボい原住民の戦士ではなく、
ヨーロッパ並みに組織化された武士が多数いた。
日本はちょうど戦国時代だったので、
容易に攻め落とすことができなかった。

中国へ


日本の次は中国へ向かった。

中国では文化や習慣を巧みに取り込み、
一時は信者の拡大に成功したが、
このやり方が邪道として他宗派に反発され衰退。
イエズス会はローマ教皇に解散させられた。

ちなみに、
ザビエルは中国での布教活動がかなわず、
現地で病死した。

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なぜキリスト教なのか?

その理由は、
信じる者は救われるからである。
ユダヤ教はエリートだけが救われるのに対し、
キリスト教は信じる者「全員」が救われる。

ゆえにキリスト教は貧困層から
圧倒的な指示を受けた。

なぜ広まった?


「広めた」からである。
なぜ広めたのか?
「広めよ」という教えがあるからだ。

国籍や人種を問わず、
誰にでも救いが得られる。
こんなに素晴らしい教えは、
ヨーロッパ人だけでなく
全人類に広めなくてはならない。
(余計なお世話なんだけどw)

「遅れた人々」を教育してあげることで、
独裁者や貧困に苦しめられている民衆を
救わなくてはならないのである。
そのためには、
多少強引な手段を使ったとしても、
神の許しに基づいた行為と解釈される。

インディアンやアボリジニの虐殺は、
神の許しを得て行った行為なので
特に問題はない……とのことだ。

他宗教はわかりにくい

ユダヤ教は戒律が厳しく、
日常生活の細部に厳しい規定がある。


イスラム教も1日5回祈るとか、
酒も豚も女もNGとか、
ややこしい習慣がたくさんある。

キリスト教はわかりやすい


キリスト教には厳しい戒律も
ややこしい習慣もない。
神を信じるだけで救われる。

なぜならナザレの男イエスは、
大酒飲みで禁欲主義でなかった。
宣教期間もたったの3年だから
弟子が自由に解釈する柔軟性があった。

ちなみに、
ロシア帝国も「面倒なことがない」理由で
キリスト教を採用した。

布教と植民地化はセット

そもそも、
宣教師だけで船を操れるわけがない。


なぜセットになるか?
当時の航海は命懸けである。

コロンブスやピサロ、マゼランのように、
植民地化や貿易で野望がある者
宣教師を連れて行ってもらったからだ。

新大陸の原住民


キリスト教を広めた目的は、
新大陸の原住民がどうなったかでわかる。

植民地化・強制改宗・虐殺・奴隷売買……

ヨーロッパ以外の国で
キリスト教徒90%以上の国を見ると、
悲惨な目にあわされた国ばかりである。


たとえば、
暗黒大陸と呼ばれたアフリカでは黒人が奴隷化
南アメリカ大陸ではインディアンが
オーストラリア大陸ではアボリジニが虐殺された。

「十字架か剣か」
十字架を手に取って祈るか、
剣で殺されるかの選択しかなかった。

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日本での広まり方

日本では戦国時代に急速に広まった。


(Wikimedia Commonsより引用)
武器弾薬
が欲しい戦国大名、
キリスト教を広めたい宣教師、
貿易したい商人、侵略したい南蛮国王……
「全員の利害関係が一致」したからだ。

戦国大名は南蛮貿易のためにキリスト教を、
宣教師は布教のために南蛮貿易を利用した。
宣教師は貿易の仲介役もしていたのである。

フランシスコ・ザビエル


ハゲの代名詞……ではなく、
日本に初めてキリスト教を伝えた人物として
教科書に載っているので、誰でも知っている。

スペインの地方貴族のもとに産まれ、
名門パリ大学に留学後、
イエズス会創立メンバー7名のうちの1人となった。
その後、ポルトガル船に乗ってやってきた。

日本での布教活動


鹿児島に上陸後、
京都⇒山口⇒九州と布教活動をした。
中国での布教活動を志したが、
46歳で病死した。


日本史に登場する外国人では最も知名度が高く、
落書きでは不動の人気No.1である。

ちなみに、
ザビエルは日本に初めてカツラ……ではなく、
メガネを持ち込んだ人物であり、
上智大学はイエズス会が経営している。

南蛮貿易


南蛮人(スペイン・ポルトガル人)と戦国大名が行った貿易である。

日本は金・銀・食料や特産品を輸出し、
鉄砲・弾薬や海外の特産品を輸入した。

南蛮貿易の中心地が長崎だったので、
キリスト教も長崎を中心に広まった。
そのため、
南蛮貿易しやすかった九州に、
キリシタン大名が多くなった。

しかし、
貿易と布教は相入れないものであり、
結局は世界中で悲しい結末になる。

戦国時代


日本史上、
庶民の生活がもっとも苦しい時代である。
略奪が黙認されていたので、
弱い立場の者たちは「泣き寝入り」しかなかった。

戦費徴収のため領主から搾り取られる。
戦場になった田畑が壊されたり、
兵に村を襲われたりした。
徴兵されて戦死する者もいた。

このままでは一揆しかない……
仏教ではまったく救われなかったので、
他にすがるものがほしかったのは仕方ない。

豊臣秀吉
「農民はナタネ油と同じ」
「絞れば絞るほど出てくる」

キリスト教の布教


仏教で救われなかった領民は
救いを求めてキリスト教を信仰した。
大名も農民の一揆を抑えるために
キリスト教の布教を許可した。

単にイエスを信じるだけで救われる。
簡単でわかりやすい。
特に物やお金を定期的に貢ぐ必要もない。
何かを強制されるわけでもない……

戦国時代というタイミングも良く、
「あっ」という間に信者が増えた。

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南蛮人の作戦

①布教⇒②貿易⇒③植民地化、の3ステップである。

①で情報収集、②で同士討ちさせて、
③で軍隊を送ってくる……

日本は③の一歩手前で気づくことができ、
植民地化を免れた。
戦国の世を勝ち抜いた武将たちと、
現代の平和ボケ政治家では判断力が違う。

①布教


宣教師たち南蛮人の第一目的は、
戦国大名をキリシタン大名化ことである。

武器や特産品の貿易をすれば、
軍を強化し、莫大な利益を得ることができる。
その代わりに、
キリスト教を広める交換条件をチラつかせた。

強制改宗


(Wikimedia Commonsより引用)
領主がキリシタンになれば、
配下や領民もキリシタンにならざるを得ない。
さらに領内の神社仏閣を破壊させ、
異教徒の排除をしていく。

これを繰り返して、
日本全体をキリスト教化していく。

情報収集


キリスト教勢力と反キリスト教勢力を対立させ、
内乱を起こせば国力が弱まる。
その後に軍隊を派遣すれば、
容易に攻め落とすことができる。

どんな風習で、軍事力はどうか。
政治力は?経済力は?
誰が味方で、誰が敵か……
未開の土地での情報収集に励んだ。

②貿易


宣教師を導入後、商人を派遣していく。
特産品を交換するだけで、ボロ儲けできる。

大名は自分だけに武器弾薬を売ってほしい。
ライバルの大名に武器弾薬を売られると困る……

武器商人はどちらにも二枚舌で良い顔をして
不安を煽ってボロ儲けする。
この図式は現代でも同じである。

同士討ちさせる


キリスト教化に従わない大名には武器を売らない。
キリシタン大名だけに鉄砲や大砲を売って
敵対勢力を駆逐させる。

これを繰り返せば、
日本がキリスト教の国になっていく。

③植民地化


南北アメリカ大陸やアフリカ大陸のように
強力な軍隊がなければ
ヨーロッパから軍を派遣して攻め落とす。


しかし、
日本は戦国時代で強力な軍隊がある。
虐殺も奴隷化もできない。
その場合は……

植民地化


キリシタン大名は忠実な神の僕であり、
彼らに領地を寄付させていく。

領地を寄付しない大名には武器を売らずに
寄付する大名だけに売って勝たせる。
どんどん領地の寄付が増えていく。

これを繰り返せば、
日本の植民地化が完了する。

宣教師⇒ポルトガル国王への文書には、
日本の一部がポルトガル領となった記載があった。
おいおいw

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どうやって心を掴んだか

学校や病院などを建てて心を開かせ、
敵勢力の内情を探る。
味方になりそうな支配者を選定し、
分断を試みる……

さらに、
支配者も領民も「平等」と洗脳すれば、
領民が支配者に従わなくなり、
戦争時につけ攻め込みやすくなる。

支配者の心を掴む


なんだかよくわからない集団だが、
彼らを受け入れさえすれば戦国で勝てる……

武器や貿易による莫大な利益をエサに
支配者のスケベ心を煽って取り入った。

逆説的な広がり


宗教に興味がない支配者ほど、
アッサリ宗教の話に乗ってくるという
不思議な現象が起こった。

純粋な気持ちで入信する大名は
少数派だったのに爆発的に広まってしまった。

領主が改宗すれば領民も強制改宗である。
そのうえ、
民衆の心を掴む手法にも長けていた。

民衆の心を掴む


領民の支配者は領主ではない。
神である
領民と領主は神のもとで平等である。

どうすれば平等になれるか?
どうすれば救われるか?
それは、「神を信じる」だけ……
信じる者は「誰でも」救われる。

お上には絶対服従だった日本人には、
革命的な考え方であった。

天文学や数学で説得


星や太陽は正確に運行しているのは
領主ではなく神である。
自然現象とは、神のチカラである。
数字や図形で自然現象を説明し、
「神のチカラ」と説く……
これは非常に説得力があった。

さらに宣教師たちは教会・学校・病院を建設。
各地で慈善事業を行った。

はじめは拒絶していた大衆の心も
徐々に傾いて信者が増えていった。

宣教師に悪気はない

白人様よりも劣った文化しか持たない
未開の土地に住む遅れた民族を
神の教えに導き正しく文明開化させる……

そうやって
南北アメリカ大陸、アフリカ大陸を
キリスト教化してきた。

虐殺など多少強引な手段はあったが、
教えを広めるため、神の許しのもとに行った。
仕方のないことである、という解釈になる。

次はアジア


(Wikimedia Commonsより引用)
同様に、
極東の辺境島に住む遅れた大和民族に
優れた文明を持つ自分たちが
神の教えを広めてあげる……

戦国の世だった日本を
キリスト教化して平和な国にすることが、
「正しい行い」と信じて行動していただけ。

そのために鉄砲で死者は出るだろうが、
「愛と平和のために多少の犠牲は仕方ない」との解釈だ。

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織田信長


キリスト教に興味がないのに
熱心にキリスト教を受け入れた大名である。
政治経済的に利用しただけで、
信者にはならなかった。

貿易船=勝利


九州の大名がこぞってキリシタン大名になったのは
宣教師が貿易船を連れてくるからである。
武器弾薬が手に入り、経済も潤う。
ライバルの大名に勝てるようになる……

信長がキリスト教を利用したのも
貿易船を自分のところに来させるためだった。

もともと織田家は交易で莫大な利益を得て
有力大名にのし上がった家である。
貿易の重要性をよく知っていたので
キリスト教をあっさり受け入れた。

貿易船なし=敗北


信長はイエズス会を弾薬目当てで利用した。
戦国最強ともいわれた武田軍を破ったのは、
織田軍が持つ大量の鉄砲だった。

最強の騎馬隊を擁する武田軍は
なぜ織田軍に破れたのか?

甲斐国(山梨県)には海がなく、
貿易船が来なかったからである。
馬で鉄砲に勝てるわけがない。

弾薬目当て


(Wikimedia Commonsより引用)
鉄砲は日本の職人のチカラで作れた。
しかし当時は、
火薬原料である「硝石」を輸入するしかなかった。

ちなみに、
本願寺は硝石の国産化に成功したが、
門外不出で製法は漏れず……
仏教勢力がどれだけ脅威だったがわかる。

南蛮国は脅威でなかった


戦国時代にやってきたのは帆船だった。
風を利用しないと進まないため、
時期を選ばないと日本まで来られなかった。

しかも、
喜望峰(アフリカ最南端)を回って
インド洋を渡り、太平洋を北上する必要がある。
日本を征服するだけの大軍を送り込むのは不可能……
そのうえ、
日本には強力な武士がウロウロしている。

いっぽう、
南米やアフリカは大西洋を渡るだけ到着した。
しかも、
原住民の軍事力は低いので簡単に征服された。

江戸時代には脅威に


戦国時代(15~17世紀)では帆船だったが、
江戸時代は産業革命後(18世紀後半)なので
蒸気船で来航してきた。

もはや季節に関係なく海を渡れる。
武器も兵も大量に送れる。
それに対して江戸時代の日本は天下泰平の世……
もう戦国時代レベルの武将も武士もいない。

江戸時代は戦国時代よりも、
キリスト勢力による侵略・植民地化の
脅威がはるかに大きかった。

ゆえに徳川幕府は
キリスト教勢力を警戒することになる(後述)。

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信長の性格

日本初の天下人である信長の性格も、
キリスト教が導入成功した大きな要因である。

信長は合理的でミーハーだった。

新しモノ好き


地球儀や置き時計など、
西洋の発達した科学や医学に興味をもった。
ビロードのマントや南蛮鎧など、
キリスト教を積極的に保護したイメージがある。

しかし実際は、
「弾薬を持ってくるなら住んでもよい」
「邪魔にならない程度に布教活動してよい」くらいの、
他宗教と同じ扱いだった。

極端な性格


宗教でも隣国でも友好的な相手には寛容
敵対する相手には徹底的に弾圧するなど、
極端な性格であった。

仏教にもキリスト教にも寛容であったが、
比叡山・本願寺・高野山など、
敵対する仏教勢力「だけ」は徹底的に弾圧した。
(他の仏教団体は保護した)

命乞いをする僧侶たちを寺に押し込んで
生きたまま焼き殺したり、
敵対した武将の頭蓋骨を並べて宴会など、
容赦しなかった。

信長といえば過酷な宗教弾圧のイメージだが、
弾圧したのは敵対勢力のみであり、
敵対しない宗教団体には寛容だった。

合理的な性格

神仏や霊魂は信じない性格だった。
法華経教徒に属してはいたが、
迷信的な慣習も蔑視していた。

図形や数字で説得するキリスト教は
情報戦を最重視する信長の性格に合っていた。

政教分離主義


信長は徹底的な政教分離主義者である。
仏教はもともと外国から伝来したものであり、
キリスト教も特別な存在ではなかった。

比叡山・本願寺・高野山は武装して
政治介入してきたので宗教扱いでなくなり、
弾圧された。
同様に、
もしキリスト教徒が十字軍的に武装すれば、
弾圧したと予想される。

もし本能寺の変がなかったら……


存命で天下統一したとすれば
キリスト教は邪魔になって排除したと予想する。

天下統一後は敵がいないので、
キリスト教のデメリットが目立つようになるからだ。
まさに、
秀吉がその過程を実践することになる。

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豊臣秀吉


途中まではキリスト教に寛容であったが、
九州で植民地化と奴隷売買を知ったあとは
キリスト教の「裏の顔」に気がついて禁止した。

このあたりの判断力はさすが、である。

時代が変わった

信長時代は戦国大名が競い合っていた時代である。
キリスト教のデメリットには目をつぶり、
南蛮貿易のメリットを追い求めるしかなかった。

天下統一は信長が果たした……
その後を継いだ秀吉には、争う相手がいない。
無理して南蛮貿易をする必要性も下がってきた。

と同時に、
デメリットが目に余るようになってきた。

支配しにくい


国民がキリスト教徒で埋まれば、
日本の支配者である関白や天皇ではなく、
海の向こうの国王や教皇を崇拝する。

さらに、神のもとに平等……
支配者にとって最悪な概念である。

一向一揆に悩む


浄土真宗本願寺教団(一向宗)の
信徒(士農工商+僧侶)が起こした
権力に対する抵抗運動である。

信長も家康なども含め、
全国の戦国大名がもっとも手を焼いた勢力である。
加賀一向一揆では大名を倒し、
90年も一向宗の支配が続いたほどだ。

一向宗に似ていた


キリスト教は一向宗と似ていた
領主の法よりも「教えに忠実」であり、
信者同士の結束が固く、
狂信者は命を投げ出して戦ってくる。

実際、島原の乱ではキリスト教の殉教者が
死を恐れずに向かってきたので苦戦した。

刀狩り


当時は戦国時代が終わったばかりであり、
民衆も武装していた。

刀狩りは一向宗やキリスト教徒に対してだけの政策ではない。
しかし、
武器を持ったキリスト教徒や一向宗を
放置すれば一般農民以上の脅威である。
刀狩りの効果は彼らにこそ大きかった。

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九州討伐

秀吉は信長同様にキリスト教に寛容であった。
そのターニングポイントが「九州討伐」である。
九州平定とキリスト教弾圧時期は重なる。

裏の顔を知った

九州の討伐によって、
イエズス会の宣教師がスペイン・ポルトガルによる
植民地化の尖兵だったことに気がつく。


黒人奴隷からの情報が、
キリスト教の胡散臭さに気がつくきっかけとなった。
(人類みな平等なのに奴隷w)

キリシタン大名


九州は南蛮貿易船が来やすく、
戦国大名のキリシタン大名化が進んだ地域である。

九州でキリスト教徒が急増した背景には、
キリシタン大名による領民の強制改宗
仏教・神道の弾圧、神社仏閣の徹底破壊があった。

さらに、
武器弾薬のために悪行を繰り返した。

火薬1樽=性奴隷50人


キリシタン大名の天正少年使節団の報告書がある。
彼らは聞いていたことと、
キリスト教の実態が大きく違うことに驚いた。

「行く先々で日本娘がどこまでいっても沢山目につく。
ヨーロッパ各地で50万という……
肌白くみめよき日本の娘たちが
秘所まるだしにつながれ、もてあそばれ、
奴隷らの国にまで転売されていくのを正視できない。
鉄の伽をはめられ、
同国人をかかる遠い地に売り払う徒への憤りも、
もともとなれど、白人文明でありながら、
何故同じ人間を奴隷にいたす
ポルトガル人の教会や師父が硝石(火薬の原料)と交換し、
インドやアフリカまで売っている」

「女たちが泣き叫ぴ、わめくさま地獄のごとし」
あまりに残酷で直視できなかったらしい。

イエズス会は諜報部


宣教師たちはキリスト教布教をたてまえに、
ターゲット国の政治体制・経済力・軍事力のみならず
風習・宗教事情を徹底調査し、事細かに報告書を送りった。
キリスト教が浸透したら艦隊を送って植民地化する……

南蛮貿易は性奴隷貿易でもあった。

日本人を奴隷として売るバカ大名など、
お家取り潰しにすべきである。
日本の教科書はキリスト教徒処刑の悲劇を伝えるが、
性奴隷貿易の悲劇などの、
白人様に不都合な事実を伝えない。

長崎にて


(Wikimedia Commonsより引用)
当時の貿易の中心は長崎である。

キリスト教信者によって地蔵の頭は切り落とされ、
神社仏閣が破壊されていた。
長崎がイエズス会領になってしまっていた。
つまり、
ポルトガル植民地である。

秀吉は、それを知って激怒した

バテレン追放令


伴天連(宣教師)を国に返すように通達した。

サンーフェリペ号事件や26聖人処刑後も
南蛮勢力が秀吉に従わなかったので、
最終的にはキリスト教を禁止した。

ただし、
南蛮貿易の甘い汁だけは吸いたかった。
ポルトガルは布教と貿易はセットとのスタンスである。

ゆえに、
秀吉側も強くは踏み込めず……
一般庶民が個人的にキリスト教を
信仰するのは自由とした。

徳川幕府は、
この中途半端を打開するアイデアを思いつく。
それが「鎖国」である。

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徳川幕府


徳川家康は貿易実利重視であり、
禁教令こそ出したが、弾圧には積極的でなかった。
しかし、
三代将軍家光から弾圧が開始された。

「神のもとで平等」では
士農工商の幕藩体制に不都合である。

オランダ vs スペイン

オランダ・イギリス(プロテスタント)は貿易が目的。
スペイン(カトリック)は植民地化が目的。

オランダとスペインとは
プロテスタント vs カトリックの戦争中であり、
しかも商売敵である。

オランダが、
フィリピンのスペイン侵略の例を挙げて
「日本も侵略目的」であることや、
「南米でのインディアン虐殺」などを
徳川幕府にチクッた。

キリスト教不要論

脆弱だった豊臣政権と違い、
盤石の態勢だった徳川幕府……

オランダ・イギリスなら布教ナシで貿易ができる。

日本国内に敵対する勢力は、ほとんどいない。
またこの頃には硝石も国内生産でき、
キリスト教の需要はますます減っていた。
もはやキリスト教に「いい顔」を
する必要がなくなっていたのである。

ちなみに、
硝石は糞尿と土を発酵させて作った。

鎖国


(Wikimedia Commonsより引用)
徳川幕府が貿易を独占するために行った。
鎖国といえば「国を閉ざした」イメージだが、
鎖国後の方が貿易額は増えている。

貿易は出島を介して徳川幕府が一元化した。
オランダ・イギリスは布教目的でなく、
貿易だけだったので出入りが許された。

藩を警戒


幕府が最も警戒したのは
各藩が交易によって莫大な利益
武器弾薬を持つことである。

そのために鎖国をして、
各藩が独自に貿易を行えないようにした。

参勤交代でカネを使わせて
各藩のチカラを削ったのと同じ政策の一環であり、
外国を排除する目的ではない

キリスト教弾圧


江戸時代のキリスト教弾圧は
踏み絵や大量処刑のイメージがあるが、
実際は捕えて即処刑ではない。

尋問や拷問の途中で棄教すれば釈放された。
死者のほとんどは信仰を貫いた者であり、
問答無用で処刑していたわけではない。

助かりたければ、助かったのである。

島原の乱


天草四朗
が起こした「島原の乱」は
日本歴史上最大規模の一揆(3万人)であり、
鎖国のきっかけとなった。

「汝の敵は愛せ、しかし神の敵は殺せ」

反乱側にはキリスト教徒が多く、
命を投げ出して戦う殉教者たちの
恐ろしさが表面化した一揆でもあった。

ただし、
これは領主のムゴい取り立てが原因なので、
宗教戦争ではない。

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明治以後

明治政府としてはキリスト教を排除したかったが、
欧米との付き合いで一部認めざるを得なかった。

キリスト教は禁止


(https://www.pref.gifu.lg.jpより引用)
1858年に開国して鎖国が廃止され、
欧米のキリスト教国との貿易が再開した。

しかし「神=明治天皇」だったので、
キリスト教は厳禁
隠れキリシタンは徹底的に弾圧された。

ところが……

キリスト教を認めた


日本政府のキリスト教弾圧に欧米が激怒。
不平等条約改正の話し合いもシカトされる。
「我々の宗教を否定する野蛮国はNG」

欧米列強と肩を並べるには、
ある程度認めざるを得ないとして、
禁教が廃止された。

戦後は「信仰の自由」


戦後には憲法で「信仰の自由」が明確に認められた。
日本人のほとんどは神社にも寺にも行くので、
48+46=94%が「神道+仏教」である。

しかし現在でも、
日本ではキリスト教は広まっていない。
世界の30~40%がキリスト教徒であるにもかかわらず、
日本ではキリスト教徒は、ほとんどいない。

数千万人の黒人奴隷がアメリカ大陸に運ばれ、
数百万人の原住民が殺され、
数十万人の日本娘が世界中に売られた歴史が、
事実として存在するからだ。

タイも日本と同じ


東南アジアで唯一侵略された歴史がないタイ王国も、
日本と同じパターンである。
タイ国王がキリスト教化⇒植民地化の意図を見抜いて
キリスト教を排除したために独立を保てた。

秀吉や徳川幕府のキリスト教排除政策は、
賢明だったと判断できる。

まとめ

なぜやたら布教するのか

国教化⇒宗教改革⇒海外進出の流れで、
キリスト教が、というよりは
カトリックが世界に広まった。

……が、
布教とセットで多くの人が死んでいる。
慈善事業の名目で、結局は植民地になっている。
懺悔すれば、神の許しが得られるからだ。
そして黒人奴隷を連れながら人類皆平等を説く……
都合の良いオツムだことw

「信者」と書いて「儲ける」という漢字になる。
すがれば、食い物にされる。
それは現代でも同じ……
信じる者は、足元を掬われるのである。

しかし、
イエズス会そのものは侵略目的ではないし、
キリスト教が悪いわけでもない。
あくまでも、それを利用する人間が悪いのだ。



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